6日付の毎日新聞によりますと、中国・青島と山口県下関市を結ぶ定期旅客フェリーの乗客が急増しているということです。1ー4月は年間最高を記録した昨年の同時期と比べ約7割増。中国人客の流れをいかに地元に引き留めるか。関係者は熱い視線を送っています。
同航路は週3往復運航しています。統計によりますと、乗客数は06年に過去最高の8980人を記録。さらに今年1ー4月は、前年同期を7割近く上回る約3200人が乗船しました。貨物専用の蘇州航路の定期フェリーにも今秋から、旅客を乗せる準備が進んでいるため、さらに乗客増の期待が高まります。
乗客の中で、(1)日本企業への研修生(2)留学生を含む学生(3)在日の中国人親族訪問ーーの順に多い。それに続くのが観光客です。
山口県は、中国・山東省と友好協定を結び、港がある下関、青島両市は友好都市として交流を続けてきました。この実績を観光に生かそうとの試みもあります。
先日、民間ツアー「青島市老人代表団」の110人がフェリーで来日しました。下関市職員や地元のボランティアが「文化交流会」を開いて歓迎。一つの会場では、地元に伝わる平家踊りや着物の着付けなどを披露しました。ツアー客からは「踊りを教えてほしい」と突然のリクエストが出るなど盛り上がり、予定外のプログラムも含めて約3時間にわたって交流を深めました。
市国際課によりますと、市が同様の歓迎行事にかかわったのは初めてだとのことです。同課は「観光地としての知名度は、阿蘇や別府に劣ってしまう。人との交流が持てる土地という新たな魅力を発信できたらいい」と狙いを話しました。これまでの国際交流の経験を生かし、団体を受け入れた実績を新しい魅力としてPRしたい考え。本格的な取り組みは始まったばかりです。(東京支局王穎穎)
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