東京都台東区。慶応大学教授。趣味は二胡。70年代から北京放送今の中国国際放送局の日本語放送を聞き始めた。後に北京放送を聞く会の会員となり、会員の方々に中国語を教えたり、中国の事情を紹介したりしていた。大学では中国文学を教えていることから、中国によく行き、中国事情のことなら何でも知っているといっても過言ではない。今はもっぱらHPで北京放送を聞いているという北京放送にとって大変重要な存在である。
現在、IT時代を迎え、放送を始めとするメディアの在り方は私達の想像をはるかに超える早さで変化しています。今ではオンラインに流している放送局なら世界中のどの国のものでも雑音なしで聞くことが出ます。そして、コメントやリクエストをメールで送り、それがタイムリーに放送内容に反映するようなシステムになっています。つまり、情報を得るだけの一方通行だった放送が、音だけでなく文字や映像を使っての作り手と視聴者の情報の相互やり取りが可能になっているのです。しかも、世界の何処に居ようとも。無論、北京放送局も時代のニーズに合わせて発展しています。HP(ホームページ)は、実によく出来ていて、中国を知る手段として非常に利用価値が高いと思います。この頃の日本のマスコミの傾向は興味本位に物事を取り上げ、無責任な報道の仕方が目立っています。最近の中国の反日報道も小さなことを大げさに報道し、視聴者にいたずらに警戒心を抱かせているような感がありました。そのような場合、中国の実情を中国人の立場で報道している北京放送の存在は重要です。何かが起きた時、一方的でなく、多くの情報をきちんと収集し、それを元に自分で判断することが必要です。
北京放送のHPの中国語講座は、テキストが載っていて、文字をクリックすると発音が聞こえてきますので、無料でマルチメディアで学習ができるわけです。このHPなら中国語を学習しながら、同時に今の中国を知ることが出来ます。中国語教師の私から見て、実に理想的な学習手段ですので、大学の学生達にも紹介しています。ただ、問題はパソコンに不慣れな中高年の学習者で機会がある度個人的にアクセス方法を指導し、このHPを紹介しているのですが、なかなか若者の様には行きません。しかし、パソコン自体も進化していますから、いずれ操作はもっと簡単になり、皆が頻繁にアクセスするようになると思います。以前、日本と中国は「一衣帯水」という言葉で表現され、私はこの言葉がとても好きでした。戦争によって引き裂かれた両国ではあるけれど、川の向こうには同じ暖かい人間がいるのだと、そう信じることが出来るような言葉です。しかし、このIT時代にあっては、両国の間にはそんな川さえありません。クリックひとつで皆が繋がれているのです。これからも北京放送には、HPを更に充実させて、いち早い相互の正しい情報や意見の交換などに役立つよう、そして両国間の友好に貢献して頂きたいと願っております。
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