Q:中国には泰山という有名な観光地があるそうですね。日本のテレビ番組で、芸能人がリポーターとして登っていましたが、その石段を見てびっくりしました。それにしても頂上からの眺望はすばらしいですね。私も一度泰山に行きたくなりました。
A:泰山は山東省泰安市にある高さ1545メートルの山で、道教の聖地である5つの山(五岳)の一つです。神聖な山ということで、秦の始皇帝をはじめ歴代の皇帝が泰山を訪れて儀式を行ってきました。だから、山の中には、祠や廟、宮殿建築などが点在しています。また、多くの文人墨客により、石刻・石碑など豊富な文物旧跡が残されています。自然景観と文化遺産を持つ場所として、1987年ユネスコの複合遺産に登録されています。
全長9キロの登山観光道路は6293段の石段で作られています。その途中、一番有名なのは「十八盤」というところで、石段が空まで伸びていくような景色は見ごたえがあります。
体力に自信のない方は、中天門から南天門までロープウェイを利用することができます。頂上からの日の出や日の入りはとても美しくて、毎年多くの観光客が訪れます。なお、山麓には泰山府君を祭った岱廟があります。岱廟は中国三大建築(他、孔子廟、紫禁城)の一つとされています。現在、岱廟は泰安博物館となっており、封禅の時に記念して彫られた多くの碑文がここに残されています。泰山とその周辺には普照寺や竹林寺、霊厳寺といった由緒ある仏教寺院も多く、特に霊厳寺には日本からの曹洞宗の留学生が宋代に多く訪れています。
|