先日、北京で、青年交流開始50周年記念大会が開かれました。中日青年交流は、いまから50年前の1956年、日本青年団協議会が22人の青年代表団を中国に派遣したのがはじまりとされています。その後もたびたび訪問団を派遣しあい、両国の青年たちの交流はますます深まりを見せています。
今回の記念大会には、学生や会社員、教師など、各分野で活躍する日中の若者達が、双方から100人近く参加しました。関係者による講演会や、人民大会堂訪問、また、中日青年交流50年の歴史を振り返る記録映画の上映会などが行われました。また、座談会では、両国の青年たちがいくつかのグループに分かれ、「青年交流と中日関係」「中日経済交流と環境保全協力」「中日両国が直面している問題」などのテーマについて話し合いました。3時間半という短い時間でしたが、みなさん積極的に議論していました。
今回の日本訪問団の団長を務めた、衆議院議員の小渕優子さんは、「ちょうど今年は、青年交流が始まってから50周年にあたります。あらためて、日中の友好について苦労したり努力したりしながら、多くの先輩が築いていたこれまでの道のりを感謝すると共に、これから自分たちに何ができるか、そんなことを考える大変いい機会になったと思います。また、中国の皆さんも本当に暖かく私たちを迎えてくださり感謝していると同時に、中国のすばらしい友人をたくさん持てたことを大変うれしく思います。」と語りました。
また会場には、これまで中日青年交流を支えてきた多くの方々の姿もありました。中国青年訪日団として1957年に日本を訪れた経験のある、中国・日本駐在大使館の楊振亜元大使は、「私は、50年前は青年でしたが、今では年をとってしまいました。でも、気持ちはまだ青年です。今は、多くの若者たちと共に手を携え、両国の青年交流をサポートしていきたいと思っています。」と語りました。楊振亜元大使は1988年から1993年まで日本に駐在。着任中は、1991年の海部元首相中国公式訪問や、92年の天皇皇后両陛下初の公式訪問など、さまざまなできごとがありました。
その大切な時期に日中関係を支えていた人物のひとりが楊元大使でした。いまも各地で講演会を行うなど、精力的に活動されています。また、日本青年団協議会の辻一彦さんにもお話を伺いました。辻さんはいまからちょうど50年前、第1次青年訪中団のメンバーでした。50年を振り返って、「当初は非常に困難な時期でしたが、日中両国の青年の力で交流の道を切り拓きました。それから50年経って、今、この節目の総会に出席でき、非常に感激しております。多くの若い人にお目にかかり、直接われわれの歩みを話すことができたということは大変意味があったし、うれしく思います。
日本の青年は、近代の歴史、戦争の歴史をもっと勉強しなくてはいけないと思います。それから、中国の青年は、歴史教育の必要性は十分わかりますが、戦争が終わったあとの日中友好の歴史をぜひ学んでほしいと思います。それから、青年交流というのは双方の理解に役立ちますから、もっと多様な交流を深めてほしいと願っております。」と語りました。
また、大会で行われたスピーチでは、中華全国青年連合会副主席であるアルケンジャ・ドラホンさんが、「いまは中日関係が不安定かもしれないが、こんなときこそ両国の国民、特に青少年には努力していただきたい。若者たちが、中日関係を軌道に戻す努力をすべきだ」と話し、また、日本衆議院議員・小渕優子さんは、「一人一人が日本と中国の架け橋になり、これからの日中関係を築いてほしい。私も若い政治家として、皆様がいい交流ができるようにバックアップいきたい」と語りました。過去だけではなく「これから」に目を向けた、前向きな雰囲気の記念大会となりました。
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