kimeru登場
「音楽は国境を越える」と言いますが、実はここ最近、中国では、日本の音楽に注目する若者達が増えています。2002年の中日国交正常化30周年のとき、中国でいくつか記念コンサートが開かれました。浜崎あゆみさんやGackt(ガクト)さん、GLAYといった、日本の人気アーティストが多く参加し、盛り上がりました。さらに昨年は、人気ロックバンドであるラルク・アン・シエルが上海でコンサートを開き、日本の音楽がグッと身近に感じられるようになりました。
kimeru熱唱!
日本人アーティストのファンの集いも今年6月、北京で、ある日本人アーティストのファンの集いが開かれました。kimeru(キメル)という男性歌手です。
現在、中国各地にkimeruさんのファンクラブがあり、この日も、全国からおよそ300人のファンが会場に詰めかけていました。主に、中学生から高校生くらいの女の子たちです。中国では、日本のアニメや漫画がブームとなっています。そんななか最近、日本の人気アニメ「テニスの王子様(中国語タイトル:網球王子)」が中国のテレビで放送されました。このエンディングテーマ「YOU GOT GAME?」を歌っていたのがkimeruさんでした。それがきっかけで、kimeruさんのことを知り、ファンになった子が多いようです。
kimeruファンのみなさん
会場は、kimeruさんへの質問コーナーやプレゼント抽選会、ミニライブなどで盛り上がりました。また、この日(6月17日)はちょうどkimeruさんの誕生日だったことから、バースデイ・ケーキが登場するサプライズもありました。
ところで、今回取材していてビックリしたのが、ファンの多くが日本語を理解していたこと。kimeruさんが歌う歌詞の意味を知りたくて、日本語を勉強している子が多いのだそうです。
キャー!キメ様ー!
ファンの集い終了後、わたしは何人かの女の子達に話を聞きました。
Q.「どこから来たの?」
A.「北京です」
「わたしは天津です」
Q.「kimeruさんを知ったきっかけは何ですか?」
A.「友達が、『日本に、すごくかわいい男性歌手がいるんだよ』って教えてくれたんです。その後、彼のライブDVDを見て、好きになったんです」
「kimeruの曲はメロディがきれいなの。アニメの『テニスの王子様』を見て、彼のことを知りました。本当にかわいいよね!」
Q.「彼のチャームポイントは?」
A.「唇!目!そして笑顔!」
法整備などの関係で、日本の音楽業界の中国進出はまだまだこれから。日本のアーティストのCDやDVDは、ごくごく一部のタイトルしか発売されていません。実は、kimeruさんのCDも、まだ中国では手に入れることができません。だからファンのみなさんは、日本に友達を作って送ってもらったり、日本へ旅行や留学に行った友人に買ってきてもらったり、けっこう涙ぐましい努力をしているそうです。
黄色い声援
日本音楽信息中心(日本音楽情報センター)・JAMIC北京市内に、日本音楽信息中心(日本音楽情報センター)・通称「JAMIC」と呼ばれる施設があります。日本の財団法人「音楽産業・文化振興財団」と中国の音楽情報誌「音楽生活報」が、1999年に共同で立ち上げたものです。日本の音楽を中国の人たちに紹介して、楽しんでもらおうという思いから、様々な事業を展開しています。
JAMIC
センター内には、視聴・閲覧スペースが設けられていて、日本の音楽CDやコンサートDVD、日本の音楽雑誌などを自由に楽しむことができます。CDだけでも6000枚くらい揃っているそうです。会員制で、料金は無料(ただし、学生証などの身分証明書の提示が必要)。会員は、いまや北京を中心に1万人以上いるそうです。
また、日本のアーティストが中国でコンサートを開く際のサポート業務や、さまざまなイベント活動も行っているのだそうです。
JAMIC主任・朱根全さんは、「なぜいま、日本の音楽やアーティストにひかれる若者が増えているのか。ひとつは、音楽作品自体の素晴らしさでしょう。日本の音楽はお洒落で、繊細です。それが彼らの心を動かすのでしょう。もうひとつは、中国の現代っ子たちは、子供のころから日本の文化に親しんでいます。アニメや漫画、テレビドラマなどを通して、日本の音楽にも興味を持つようになったのでしょう。いまの若い人たちは、自分の好きなものは好きと言う。好奇心もあるし、大胆だから、海外の音楽でもスンナリ受け入れられるのでしょう。」と語りました。
握手できて感激!
来年は中日国交正常化35周年。JAMICとしても、何か大きなイベントを企画したいとのことです。すでに日本のアーティストに何組か声をかけているとのことで、期待したいですね。
また、日本の音楽ファン達は、日本人の友達をほしがっているそうです。いっしょに音楽の話をしたり、情報交換をし 合ったり・・・。ぜひ、音楽を通した中日交流が盛んになってほしいと思います。
JAMICホームページアドレス http://www.jamic.cn (2006年10月新オフィスに移転予定)
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