区別がつくのか、中国の学生?日本の学生?日立製作所を見学して
中日両国の60名の大学生の参加による第25回日中学生会議が10日間の日程を経て、26日、東京で閉幕しました。この会議は日中両国の大学生の交流の場として、1987年に設立され、その後、両国学生の自主運営で日本と中国で交互に開催されてきました。今回会議では「社会とのかかわり」という全体テーマで、日立市と東京で開催され、参加学生は中国北京・広州の10大学から30名、日本各地の10大学からの27名となっています。
両国の大学生たちは中日環境協力、相互理解と日中関係について、シンポジウムを開催したほか、東アジア、国際、メディア、企業、環境という5つの分科会に別れ、踏み込んだ議論を行いました。このほかにも、分科会ごとのフィールドワークや、それぞれの文化や個性をアピールする懇親会・「中国夜、日本夜」も開催されました。
一年ぶりの再会に握手
今回会議で実行委員長を務める吉村祐一さん(中央大学法学部3年)は、会議は「学生という立場を最大限 に生かして率直な議論を行った。1人1人の信頼関係を築いていくことで、相互理解が確実に促進される」と総括していました。
30名の中国参加者の大部分は初めて日本を訪れました。何故、会議に参加したというアンケートで、彼らの挙げた一番の理由は「日本の大学生の考え、生活、彼らの見た中日関係を知りたいから」となっています。
帰国前夜、北京大学の孫昭越さんは今回の日本滞在を振り返って、「もっと多くの中国人や日本人に相手国に行ってみるのがとても大事だと思う。相手の国に身をおけば、相手の立場に立って、物事を考えることに益する」と感想を述べました。
中国夜・日本夜にて
(左:広東省江門市五邑大学邱俊翔さんの揮毫を受け取る日本側実行委員長・吉村祐一さん。右:熱唱する 広東組)
一方、日本大学の寺沢伸太郎さんは、「反日デモなどで中国に敵意を感じた。が、だからこそ向き合わなければならない。議論を通して、相手国について間違った考えを持っている人が多く、日中は共存できる」ことが確認されたといい、「素直な意見交換を通し、交流を深め、友達がたくさんできた」を喜んでいました。
10日間、寝食を共にし、行動を共にすることが、学生会議の特色です。25日の打ち上げ会で、すっかり打ち解けた雰囲気の中で、両国の学生たちの交歓の姿がありました。
東アジア分科会会場
日中学生会議開催の将来的な意義について、御茶ノ水大学のキム・テヨンさんの発表ででも述べていました。「協力を通じて得られた人的パイプは長い年月のうちに、日中の信頼関係の構築に貢献する…微細な人脈だが、数十年という期間で見た時、確固たる信頼関係に成長する可能性がある」。
現在、大学生たち自分のイベントとしてその開催に情熱を注いだ中日の大学生たちですが、十年後、二十年後、日中両国の関係構築の各分野の第一線に立ちます。その時の彼らの活躍ぶり、そして、日中学生会議に参加した経験、どのように影響を発揮するのか、注目されます。(王小燕)
|