中国国際放送局紹介 日本語部紹介
Home
「太極柔力球」 新しいスポーツ、新しい交流の架け橋
   2006-08-04 20:48:19    cri

   

 中国では、現在、『太極柔力球』というスポーツが人気急上昇中です。どんなスポーツか、言葉で説明するのは非常に難しいのですが、ひとことで言えば「テニスと太極拳を足して2で割ったかんじ」。小さいテニスラケットみたいなので、ボールを落とさないように操ったり、それを相手にパスしたり・・・。音楽にのせて、ゆったり動きながらやるスポーツなのです。

 実はこれ、中国で1991年に考案されたばかりの新しいスポーツで、このところ中国国内はもちろん、世界中で愛好者が増えつつあるんです。そんななか、先日、「第1回北京国際柔力球交流大会」が、北京市内の石景山体育館で行われました。北京・天津・河北省など、中国各地の愛好者団体が多く参加しました。大会では、各団体がその演技を披露。全体的に、中高年の方々に愛好者が多いようです。動きが激しくなく、ご年配の方でも気軽に楽しめるのが人気の理由のようです。そのあたりの魅力について、天津から来ていた王世琴さんという女性にお話を伺いました。王世琴さんは「老後の健康作りのために、2年前に始めました。はじめは夫婦で楽しんでいましたが、そのうち近所の人も集まってきて、今ではサークル活動として取り組んでいます。もともと太極拳をやっていたのですが、『太極柔力球』は太極拳の動きに似ているのでとっつきやすくていいですね。」と述べました。

   

 『太極柔力球』という名前を聞いて、太極拳と何か関係があるのでは、と思う人も多いでしょう。ところが、これ、まったく想像もできないところから生まれたスポーツなのです。会場で、『太極柔力球』の創始者である、白榕さんという方にお話を伺うことができました。白榕さんは、山西医科大学晋中学院で体育教師をされている方ですが、今から15年前の1991年、ひょんなことからこの『太極柔力球』を開発してしまったというんです。白榕さんは「学校で、ボクシングの授業をしたことがありましてね。でもボクシングって、ケガをしやすいし、ひたすら練習しないといけないからおもしろくないんですよ。だから、安全で、かつ、みんなで楽しめるようなスポーツを開発することにしたんです。はじめは、バレーボールに水を入れたものを、みんなで投げあっていました。そのうち、洗面器や鍋を使ってボールをキャッチし、パスし合うようになった。水が入っているから、落としてもはずまないんですよ。だから、落としてはいけないというルールにして。その後、ボールをテニスボールの大きさにしたり、洗面器の代わりに専用のラケットを開発したり、改良を重ねて今の形になったんです。」と語りました。

 では、何で『太極柔力球』などというネーミングになったのでしょうか?これは実際にやれば分かります。『太極柔力球』のラケットには、柔らかいゴムが張ってあります。また、ボールも、空気が抜けたテニスボールみたいなのに砂が入っていて、全然はずみません。だから、テニスみたいに、力をこめて打ち合うとか、そういう動きがまったくできない仕組みになっています。そのぶん、力を抜いて、柔らかいフワッとした動きじゃないと、相手にパスできないのです。こうした、のびのび、ゆったりした動作は体の鍛錬になり、継続することで、心肺機能を強めることもできるのだそうです。そのあたり、太極拳と通じるところがあるということで、『太極柔力球』という名前を付けたのだそうです。それで、ラケットのゴムのところにも、太極の陰と陽のマークが描かれています。

 中国では『太極柔力球』が、3~4年ほど前から注目されるようになり、今では全国に6~70万人の愛好者がいるようです。また、中国国内だけでなく、海外でもジワジワ普及し始めています。今大会にも、日本やオーストリア、ドイツ、ロシア、スイスなどから、多くの団体が参加していました。日本では、東京都日中友好協会が中心となって、普及に力を入れており、2004年には友好協会内に日本太極柔力球協会も発足。現在では、全国に6000人ほどの愛好者がいるのでは、と言われています。そのあたりのお話を、東京都日中友好協会会長兼日本太極柔力球協会会長・貫洞哲夫さんにお伺いしました。

   

 貫洞会長は「最初に、『太極柔力球』を拝見したのは、2002年の10月に、北京市人民対外友好協会と東京都日中友好協会が毎年行っている市民交流の会のとき。そのときの出し物として、北京側が、この『太極柔力球』を我々の前でやって見せてくれたんですね。これを見ていた私たちの仲間のひとりが、これは日本でも流行るに違いない、と。北京市人民対外友好協会のご協力を得て、ラケットその他を輸入しながら、先生にも来ていただいて、活動を始めたわけです。これはあらゆる年齢に好まれる生涯スポーツとして、非常に楽しい、有力な、新しいスポーツだと思います。」と述べました。

 今回の大会には、日本からも30人あまりが参加し、中国などの愛好者たちと交流を深めていました。日本ではつい最近導入されたばかりで、レベルとしてはまだまだだそうですが、中国から講師を招き講習会を定期的に行うなどして、愛好者のレベルアップを図っているそうです。

 ひとりでも、ふたりでも、グループでも楽しめますし、中国では身障者の方にも取り組めるスポーツとして注目されています。日本のみなさんも、機会があればぜひチャレンジしてみてください。

 * 日本太極柔力球協会事務局  東京03(3295)8241

 * 協会では、講習会を随時開催しているほか、専用ラケットとボールの販売、広報誌の発行などを行っています。また、中国の愛好者との交流事業にも力を入れていきたいとのことです。

通信
v 莫言 福岡アジア文化賞受賞ーー多様な文化の保護を目指して  2006-07-28 13:41:07
v 心で作った「希望小学校」 2006-07-20 17:39:41
v バレーを楽しみながら交流しよう 2006-07-16 17:06:46
v 音楽に出会った運命に感謝・川畠成道さん 2006-07-06 17:12:34
v 殷絮の 山梨からこんにちはーー清流の女王 2006-07-04 13:47:18
  • 今日のトップニュース
  • 今日の国内ニュース
  • 今日の国際ニュース

  • • 基礎中国語
     皆さんは、ここで中国語と日本語に耳を傾け、フラッシュによる動画を楽しみながら、中国の風習や伝統文化を思う存分味わうことができます……

    • 「北京ワクワク」の購入について
     中国語講座「北京ワクワク」(上巻と下巻)のテキストは、日本の皆さんが初めて中国語会話を学習するための入門編です……
    |  link  |  E-メール  |