会員登録

日本で存在感を増す「一帯一路」

2017-05-18 11:10:16     cri    

日本と一帯一路

 これまで、「一帯一路」というキーワードにピンとくる日本人がどれだけいただろうか。隣国である中国が提唱した一大プロジェクトでありながら、その日本における認知度は驚くほど低い。

 習近平国家主席は2013年9月にカザフスタンのナザルバエフ大学での演説の中で「シルクロード経済帯」の建設を、同年10月のインドネシア国会での演説の中で「21世紀海上シルクロード」の建設構想を打ち出した。これらを合わせた「一帯一路」は、当初いずれも東端が中国に定められていたことから、日本にとっては他人事だったのかもしれない。

 しかし今、このイニシアティブは日本にとって、無関心ではいられないレベルにまで成長している。

「一帯一路」サミットと二階俊博氏

 今月14日と15日、初めての「一帯一路」国際協力サミットが北京で開催された。事前の報道によれば、海外からの参加者は129カ国と70の国際組織からの850人で、ロシアのプーチン大統領、ミャンマーのアウン=サン=スーチー国家顧問、イタリアのジェンティローニ首相など、29カ国からは首脳クラスが出席した。まさにサミットの様相だ。

 一方の日本からは自民党の二階俊博幹事長が出席。安倍首相の出席ではないとはいえ、「田中(角栄)派」として知られ、与党の実質のナンバー2である二階氏が抜擢されたことから、同サミットに対する日本の関心の高さは計れる。

 サミットの閉幕後、二階氏はCCTVのインタビューに対し「中国の周到な準備と『一帯一路』に対する情熱を感じ取った。サミットは大成功であった」と高く評価し、このコメントは中国でも大きく取り上げられた。

 翌16日午前、二階氏は習主席と釣魚台国賓館で会談した。両者は共に今年の国交正常化45周年と来年の平和友好条約締結40周年に触れ、これを契機とする両国関係の発展を約束した。その際、習主席は「『一帯一路』建設の枠組み内で日本側との協力展開について討議したい」と明言している。

日本で存在感を増す「一帯一路」

 習主席は2013年秋に「一帯一路」構想を打ち出した際に、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の提案を行なっている。それから3年足らずの2016年1月にAIIBは正式に開業した。このスピード感には目を見張る。今回の「一帯一路」国際協力サミットの開催もそうだ。このイニシアティブが、短期間でこれだけ世界に影響を与えるものへ成長することは、中国自身も予期しなかったであろう。

 今年4月18日に鳩山由紀夫元首相(AIIB顧問)が「今こそ日本はAIIBに入るべき」という意見をTwitterに投稿し、日本のネットユーザーからバッシングを浴びた。しかし、「一帯一路」国際協力サミットが始まると状況は一転し、5月15日夜のBSジャパンの番組で、安倍晋三首相がAIIBへの参加について「条件が整えば検討したい」との考えを表明した。

 今回のサミットを機に、日本にとってどこか他人事であった「一帯一路」構想は、一気にその存在感を増し、対応する動きも目立ち始めた。「一帯一路」の東端と成り得る日本は、今からどれだけ存在感を示していけるだろうか。

 中国が提唱する互恵関係がその通りに実現し、日本もそれを享受して、ポジティブな関係の中で日中国交正常化50年へと、さらにその先へと共に歩んでいけるのであれば、それはこの上ない未来だ。

(執筆:梅田 謙)

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS