イギリス最高裁判所で行われた、欧州連合（EU）離脱交渉をめぐる裁判が8日、4日間にわたる審理を終えました。イギリス最高裁のデービッド・ニューバーガー長官は、「最高裁はなるべく早く裁決を下す」として、「裁判の重点はEU離脱交渉の合法的な推進を確保することであり、国民投票による決定を覆すことはない」との考えを示しました。

　これに先立ち、イギリス高等法院は、政府がEU離脱交渉を開始するに当たって、議会による承認を必要とすると判断しました。一方、イギリス政府は、国民投票によって与られた権限で交渉を開始することが可能であるという立場で、高等法院の判断を不服として最高裁に上訴しました。

　最高裁による判決は来月初め頃に下される見込みです。イギリスのEU離脱交渉における主導を政府と議会のどちらが取るかを決めるものとなり、そのプロセスに大きな影響を与えるだろうと見られています。（洋、謙）