アメリカ財務省は現地時間1日、ロシアに対する新たな制裁を追加すると発表し、「ロシアがミンスク合意における約束を果たすまで、制裁の圧力を保ち続けていく」と強調しました。

　アメリカ財務省外国資産管理室は同日、ロシアとウクライナの37の個人と団体を制裁対象に指定しました。ウクライナ危機の政治的解決に向けて、制裁を回避しようとする行為への取り締まりを強化しています。

　アメリカ財務省外国資産管理室のスミス局長代理は、「ミンスク合意に盛り込まれた全面的な戦闘停止、重火器と戦闘員の撤収、及びウクライナの国境管理能力の回復などの事項において、ロシアはその約束を果たすべきだ」とした上で、「ロシアによるクリミア併合に、断固として反対する」というアメリカ側の立場を重ねて強調しました。

　今回の制裁リストでは、ロシアの天然ガス大手ガスプロム傘下の子会社やモスクワ銀行の子会社、クリミアとロシアを結ぶ橋の建設工事に加わっているロシアの建設会社2社などが対象に指定されているほか、アメリカ側に「ウクライナの主権と領土保全を脅かす者」と見做された17名の関係者もリストアップされています。（洋、謙）