これに対し、中国外務省の洪磊報道官は4日の定例記者会見で、「中国の南海領有権と関連の権利は長い歴史の中で形成されたもので、非合法的な仲裁の影響を一切受けない」との態度を示しました。
復旦大学歴史学科の馮イ(イは王へんに韋)教授はこれに対し、「厳密に言えば、『九段線』は『U字線』と呼ばれるべきもので、中国の南海海域における、歴史の中で形成された権利を示すものだ」と説明しました。
馮教授はこの具体的な内容について、「『九段線』は1947年に中華民国の政府が定めたもので、当時は11段あったが、中国成立後には『U字線』という形に修正され、本来ベトナムにあった2段を取り除き、通称『九段線』と呼ばれるようになった。当時の米国や英国の海域図では、この海域は明確に中国のものだと示されている」とし、「これらの線は歴史の過程を経て定められたもので、フランス、日本などの侵略・占領と、その後の中国の南海における領有権の回復などを経ている。『九段線』は中国が日本から西沙と南沙諸島の主権を取り戻した後に定められたものだ」と語りました。
フィリピンが一方的に申し立てた南海仲裁案の焦点は、中国の南海における『九段線』の合法性となっており、フィリピン、ベトナム、米国や日本がこの点を取り上げて挑発行為を行ってくるのは、前提として中国が『九段線』の権利と意義を明確にしたことがないからだとされています。これについて、馮教授は「中国が『九段線』の権利を明確にしてこなかったのは、争議を先送りにし、紛争の激化を回避しようという誠意と善意があったからだ」として、「中国は南海領有権を強調しながらも、争議を先送りにし、共同開発を主張している。一方で、南海海域の領有権において、一部の対立意見があることを認めている。南海の総面積は365平方キロメートルで、中国が領有権を主張しているのはその中の210平方キロメートルだ。この区別を分かってほしい。西側諸国はこの区別をはっきりと説明せず、今の混乱した状況を作り出している。あたかも中国が膨大な野心を持っているかのように喧伝し、中国は南海全海域を独り占めにし、いわゆる『九段線』を用いて国際海洋法に抗議しているなどという言い方をすることで、虚実をないまぜに伝えている」と指摘しました。(怡康、謙)
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