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李克強首相、訪問日程を会議の前にした原因とは?

2015-11-05 16:20:09     cri    

 李克強首相は韓国訪問前、韓国国民に送る書簡を発表していました。このまるで「実家への手紙」のような書簡には、中国韓国自由貿易地域の構想に始まり、いかにキムチと人参のスープを中国人の卓上に置かせるか、ジャイアントパンダがいかに韓国で家を構えるかなどの内容がひしめいていました。まるで、李首相の今回の韓国訪問が「お隣へちょっと遊びに行く」ような感じさえ覚えさせる内容です。

 今回、李首相がスケジュール上、首脳会合より公式訪問を優先することは、中韓両国のこれまでの友好関係を見せると同時に、外交面テクニックとしての一面も見逃せません。

 はじまりは2008年の中日韓首脳サミットでした。当時、国際金融危機が勃発し、中日韓3カ国が共にその影響を蒙りました。そこで、3カ国は初めていわゆる「問題」を棚上げし、危機の打開のための緊急対応をめぐって検討することになりました。

 しかし、島国日本は当時、大局的な立場から互恵協力の誠意を示すことはなく、そのため、中国と韓国が協力関係を結ぶことになりました。サミットの会期が残り一日となったその日、まだ福岡に滞在中でのことでした。中国と韓国は通貨スワップ協定を締結し、総額1800億人民元・38兆ウォンのスワップ枠を設定しました。その甲斐あって、金融危機によって貨幣価値が40%下落した韓国ウォンが一気に安定を取り戻しました。そして、まさにこの瞬間から、韓国は中国という隣国を「親戚」として扱い始めたのです。その後、中日韓サミットは4回開かれていますが、「3カ国首脳会談」よりも、中韓首脳会合の方が実質的意義をもつようになりました。ここ数年間、中韓貿易額はすでに3000億ドル近くに達し、両国の人員往来は年間に延べ1000万人に達し、週間の就航便数も1000便を超えるようになりました。

 その一方、日本はどうなったのでしょうか。2012年からというもの、日本には右翼勢力が蔓延り、中韓両国の首脳はいずれも日本側と積極的に接触することがなくなっています。事実、李克強首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領は、国家指導者に就任してから、まだ日本を公式訪問していません。

 最初のサミットから7年経った今日、世界経済の不況の影響を受けて、今年3月初め、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が3カ国首脳会合を再開する考えを示したところ、日本側は直ちに歓迎の意を表した上で、年内の実現にむけた強い意欲を示しました。その理由について、日本メディアは「日本政府が3カ国首脳会合を積極的に進めることは首脳会談のチャンスを活かし、中韓両国とそれぞれ首脳会談を行うことを期待しているからだ」とバラしています。

 日本は世界経済の20%を占める中日韓3カ国の市場を利用して、経済を振興していきたいのと同時に、アメリカに従い中国を牽制しようとしたり、TPPに参加したり、フィリピン、インドを誘って中国が主導するアジアインフラ投資銀行に対抗しています。

 更に、今回のサミットでは日本側は中日韓サミットの舞台を借りて、韓国上層部と接触し、アベノミクスをセールスする狙いです。

 こういう外交局面を受け、李首相は先に公式訪問を行い、韓国とのこれまでの友情に、また未来の可能性に誠意を示します。また、李首相は安倍首相より先に、若者の起業や製造業への協力、そして一帯一路及び自由貿易地域での共同事業の構想など、一連の貴重な「プレゼント」を携えて韓国を訪問したのです。

 おわかりでしょうか。李首相が、首脳会合よりも公式訪問を先にしたのには、その巧妙な外交戦略があったのです。(hj、む)

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