中国の饅頭(マントウ)は日本のまんじゅうとは違う食べ物です。日本のまんじゅうは、小麦粉などをこねて作った皮(生地)で小豆餡などの具を包んで蒸したお菓子の一種で、中国の豆包に似たようなものです。中国のマントウは、日本のまんじゅうのルーツとも言われています。
現在、中国では、マントウは、小麦粉に酵母を加えて発酵させた生地の部分だけで作った蒸しパンの一種です。中には餡も具も入っていないため、主食とされています。マントウは、中国北の地方でとても人気のある主食です。また、地方によって、マントウの大きさや食べ方も異なります。最近では、小さなマントウを油揚げしてコンデンスミルクをつけて食べる金銀マントウが各地で流行っています。
【マントウの歴史】
史書によりますと、マントウは、3世紀中国の三国時代のときに初めて作られたものだということです。当時、蜀の宰相・諸葛孔明が南征から帰る途中、川の氾濫が治まることを祈念し、川の神へ供えるものとして人の首を川に沈めるという村の風習を目にしました。こんな残酷な風習を改めさせようと、人間の頭の代わりに何かを川に投げ込むよう命令しました。そして、小麦粉で練った皮に肉を詰めたものが考え出されたわけです。すると、川の氾濫が静まり、この料理も全国に広がりました。
しかし、当時、その料理にはまだ名前がありませんでした。ある時、この料理が南蛮(南の部族で野蛮人とされていた)人の頭に似ているという人がいて、「蛮頭」が最初の名前となりました。その発音と同じなのが"マントウ(饅頭)"です。その後、マントウは、川に投げ込むのはもったいないので、祭壇で祭った後、食べるようになりました。最初のころ、マントウは頭の形をして大きいものでしたが、だんだん小さくなっていったと言われています。
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