今週の「中国の旅」の番組では、「西遊記」に登場する孫悟空のふるさとについてお話しました。
孫悟空のふるさとといえば、日本人も知っている人が多いと思います。花果山が孫悟空が生まれたところです。中国文化が好きな方はきっと詳しいです。この花果山には美しい花がいつも咲いていて、仙人の果物がよく実っているところです。中国東部の江蘇省連雲港市に、花果山と呼ばれる山があります。この山が「西遊記」の中で描かれている花果山の原型だそうです。
地図を見ますと、連雲港市は黄海に面して青島と上海の間の青島寄りにあります。面積は7444平方キロメートル、人口は460万人。日本で言うと、兵庫県より少し狭く、人口も少し少ないです。連雲港市は江蘇省の一番北、山東省に接しています。連雲港は、年間三千万トンと日本の神戸港と同じ規模の荷扱い量を誇る港です。
連雲港市は、日本の佐賀市や大阪府堺市と友好都市になっています。この連雲港市は、歴史的にも日本と密接な関係があるといわれています。というのも、秦の始皇帝の時代、徐福という人が、不老長寿の薬を求めて、童男童女三千人を連れて蓬莱島に渡ったという伝説がありますが、その蓬莱島は日本だったというのです。その徐福の故郷、徐福村(金山鎮)がこの連雲港にあります。徐福村は連雲港市街地から車で北へ1時間ほどのところ、山東省との省境近くにあります。
連雲港は歴史のある都市です。連雲港市の海州区には、"海州古城"と呼ばれる一角があります。秦の始皇帝は中国を統一すると、ここに、対外開放の門戸として、秦の東の門"秦東門"を置きました。この"秦東門"の遺跡のほか、古い街並みが残っています。
2006年、国内外から連雲港にやって来た観光客は800万人あまりで、そのうち、日本や韓国、ロシアなど海外からの観光客は7万人もいました。連雲港市はこれからもますます大勢の観光客を迎えそうです。
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