今週の「中国の旅」の番組では、北京の四合院のホテルと昔、北京の代表的な住宅四合院についてお話しました。
四合院は北京の昔からの住宅です。四は東、西、南、北という四つの方向を指します。4つの方向にはそれぞれ部屋があって、部屋が囲んで漢字の「口」の形になります。四合院の院は中国語で庭の意味もあります。四合院そのものには数百年の歴史があります。四合院の形から、各部屋内部の内装まで、北京の特色を持っています。
一般の住宅としての四合院は20年前よりずいぶん少なくなりましたが、北京には四合院のホテルもあります。番組ではその中の二つを紹介しました。
まず、北京の東城区の歴史文化保護区には侶松園ホテルがあります。このホテルの建物は伝統的な四合院です。中で使われている家具も優雅で昔風のものです。すべてが北京の昔の様子を再現しています。
家具と内装だけではありません。従業員たちも20世紀はじめの服装を着ています。従業員たちは昔の旅館の店員さんのように、お客さんとおしゃべりをしながら、お客さんにジャージャー面や餃子などの北京の食べ物を提供します。このホテルは北京の歴史文化保護区のなかにあるということですが、周りには胡同があります。店員たちは、外国人観光客のために一緒に周りの胡同をぶらぶらしながら、北京の古い物語を話すそうです。
このホテルはとても大人気です。少なくとも1ヶ月前に予約しないと泊れません。指揮者の小澤征爾さんは北京でコンサートを行なった時、この侶松園ホテルに泊まったそうです。
もう一つのお勧めは春に秋と書く春秋園です。侶松園ホテルは、昔、皇帝の親戚など、つまり皇族の住まいでした。この春秋園は静かな民居のイメージが強いです。部屋を作るために使った木材は昔のやり方で加工してあるので、乾燥した北京でも割れ目が出ません。部屋には全部北京風の伝統的な家具が置いてあるほか、パジャマもシルクのものです。お客さんは思う存分、昔の北京の生活を実感できます。
ホテルには展示ホールがあります。中には、昔、北京の人が結婚する時に着用した衣装、写真などが展示されています。お客さんは無料でその衣装を着て記念写真を撮ることができます。ホテルでは、切り紙、刺繍、泥人形などの北京の伝統工芸の実演を行い、お客さんも自分で体験することができます。皆さんも機会があれば、こうした四合院のホテルを体験してみてはいかがでしょうか。
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