北京市内の車の登録が300万台を突破した。その8割が自家用車でこれは5軒に1台の割りで普及していることになるという。新中国成立の1949年の北京の車は2300台。20年かっかって78年に7万7千台になった。
そして改革開放の時代に入るや、増加のスピードは一挙に高まっていく。6年がかりで200万台となり、今度は4年で100万台増え300万台だ。中心部を一周する二環、三環といった幹線道路が慢性の渋滞を起しているのもこの数字で良く分かる。
しかし、もうひとつ見逃せないのが交通事故。数珠繋ぎの列を縫って車の割り込み、急な車線変更が多く、接触事故は見慣れた光景になっている。車を止めたまま、お互いに「お前が悪い」「いや、そっちだ、そっちだ」とやりあうものだから、混雑に一層拍車がかかる。
北京に来たことがある人ならご承知でしょうが、車は右側通行。歩行者が青の直進信号で歩きだしても、左手方向からやってくる右折車は一時停止もせずにどんどん突っ込んでくる。地元の人はこれを巧みに泳ぎきっているようだが、おちおちしてはいられない。
さぞ交通事故の犠牲者も多いだろうと思っていたら、新聞で「4月までの北京の事故死者は401人」という記事を見つけた。これは火事、労災事故も含めているので、交通事故がらみは300人くらいとなろうか。
さてこの数、多いか少ないか。市域の広さ、車の普及率などいろんなデータを分析しなければならないが、同じ時期の東京は86人。やはり多いと見るべきだろう。06年の中国全土の交通死者は初めて9万人を切って89455人になった。これに対し日本は6871人。一日あたりにすると中国では270人、日本では19人の犠牲者がでていることになる。
しかし、中国の場合、これはもっと減らせる数字と思う。環状道路の出口を間違えて、平気でバックして来る車、側道を逆方向からやってくる車、者駐車場に入るため歩道を平気で走る車、。こうした悪質行為を取締るだけでもずいぶん違う、。
車の生産台数や普及率だけを誇ってもあまり意味がない。歩行者も含めてマナーの向上と安全意識のを高めることに力を入れ、世界に肩を並べられる車社会の仲間入りを果たしてほしいものだ。 (吉田 めい)
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