中国東部の浙江省の竜竜県には、1992年に大規模な竜遊地下石窟が発見されました。

　竜遊石窟は浙江省の省都・杭州から180キロ離れた所にあります。ここには、底が見えないほど深い淵が沢山あります。1992年の夏に、村人が淵の水を灌漑用水にするため、面積がわずか20平方メートルの淵を干すことにしました。3日間連続して灌漑用ポンプで水を汲み上げても淵の底が見えませんでした。4日目になって、ようやく水面に石の階段が現れ、9日目に、二つの巨大な石の柱が現れました。17日目になってから、やっと底が見え、大規模な地下石窟が現れました。

　竜遊県の村人は最初の石窟を発見してから、回りの7つの淵も干すことにしました。すると、また7つの石窟を発見しました。これらの石窟は内部の構造がほぼ同じで、面積だけが違います。しかし、石窟の中にはなにもなくて、村人たちはちょっと残念な気持ちでした。

　中国工学院の王思敬さんの話によると、これらの石窟はそれぞれが少なくとも1000平方メートルを超える広さがあります。洞窟には池と坂があるほか、天井を支える太い石の柱があります。柱の数は洞窟の面積によって１本から4本までそれぞれ違います。1平方キロも足らない所には24もの石窟が散在しており、洞窟全体は北斗七星の形になっているそうです。これらの石窟は厳密な作業計画に基づいて造られたもので、互いに隣り合っていますが、通じてはいません。昔の測量技術で、これほど精巧なものができるとは相当不思議だということです。

　竜遊石窟は内部の間取りが整っていて、スペースも広いです。食糧を貯蔵するための倉庫だったとか、古代の兵士の兵営だったとか、いろいろな説があります。でも、この地下石窟が、いつ頃、何のために建てられたのか、なぜ水に沈んだのか、確かなことは、まだ何もわかっていません。謎は当分解けないだろうと言われています。（編集：姜平）