行列の出来る小龍包の専門店ー「伊氏鶏汁湯包」
「働くために食べる」のか「食べるために働く」のかを問われれば、筆者は紛れも無く後者と答える。それほどに食いしん坊であるからだ。
国慶節の休暇を利用して、南京に旅した。ここの周辺には観光名所も多いのだが、今回はそれには無頓着だった。南京に旅行すると言った時、中国人は是非「塩水鴨」を食べるようアドバイスされた。北京ダックと違って、塩味をきかせた「塩水に漬け込んだ鴨肉」も、ちょっと味な食べ物だった。
しかし、筆者の舌に今もその味覚を残し続けているのは、「鶏肉汁の小龍包」だ。南京市に4店舗を構える「伊氏鶏汁湯包」の店には、行列が出来ている。特に夕方からはその列も長蛇を描いて通りを埋める。もっとも来客の多い、南京市湖南路獅子橋の店に伺った。
小龍包は通常中身の餡に、豚肉、蟹、海老などを、練った小麦粉で包んだものをいう。しかし、伊氏鶏汁湯包のそれは、鶏の挽肉に甘味をつけ、蒸篭で蒸したてを、酢醤油でいただくのだ。湯気の立っているものを口に入れ、肉汁を吸ってからほおばるのだ。口の中に広がる甘い食感は抜群。一つの蒸篭には8個(7元)並べられ、真ん中には酢醤油を入れる小皿も入れて蒸し上げる。一緒に出されるスープといただいても10元程度。それだけで満腹になる、美味しくて安価な一品だ。
住所:本店=南京市莫愁路398号
最大店舗=南京市湖南路獅子橋2号
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