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苗族人家 |
酸湯魚料理 |
中国は多民族国家である。55の少数民族と最大の漢民族と合わせて56の民族が暮らしている。"食の国"中国には、それぞれの民族が固有の味覚を持つ。その数も相当なものだ。今回ご紹介するのは、貴州省東部に居住する「清江苗族=ミャオ族」の料理である。
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炊き上がった酸湯魚 |
料理はミャオ族の小姐が手伝ってくれる |
ミャオ族料理の一押しは、「酸湯魚=酸っぱい魚スープ」だ。でも魚の代わりに牛肉やヤギ肉を利用することもある。このスープに秘伝がある。それは、貴州の高山地の棚田で産出した米を炊く。炊きあがる前に重湯状のスープだけを取り出す。それにトマトのみじん切りを加え、煮込んだものがスープの素である。その中に野菜、豆腐、キノコ、少量の鷹の爪を入れて煮込んだものが酸湯料理になる。今回試したのはナマズがメイン。味は少し甘くて酸味のあるスープ、お酢などは使用せず、基本のスープを発酵させて作ったもので、"癖になる味"だ。
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民族音楽の合唱 |
清酒と記念品を胸に掛けてもらう |
ミャオ族は、朝晩にこのスープを飲む、健康に良く、体内の油分を取り除く効果がある。食欲も出る。まさに「医薬同然」の料理である。ミャオ族の高齢者、子供に病人が少ないのは、この食生活が理由である。「メオ族の年よりは、100歳以上の人も多い。私のおばあさんは102歳です」と従業員のミャオ族のウエーターは話す。その他料理は、地域の食材を生かした、多くのメニューが用意されている。
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美しい踊りも披露 | この食事が食べられるのは、地下鉄1号線、玉泉路駅から北へ50mのところにある「苗族人家」。小柄で可愛い小姐が、民族衣装で出迎えてくれる。食事が始まると彼女はウエーターに早変わり。食事が一団落すると、今度は歌や踊りを披露して、お客に愛想よく振る舞うのだ。北京に居ながら、山岳民族の雰囲気が楽しめるスポットである。 (撮影・文:阿部 仁)
住所:北京市海淀区復興路83号
電話:6828-8465, 8970-6183
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