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美しい人生を踊っている蒙古族の娘ーーノミンチチグ
   2006-05-26 12:48:31    cri

 2004年アテネパラリンピックの閉幕式で、中国身障者芸術団が披露した舞踊、「千手観音(せんじゅかんのん)」は会場に火を灯し、世界を感動させました。21人の身障者の女性はその素晴らしいパフォーマンスで「舞踊の奇跡」と呼ばれています。そこで今日は、その中の一人、耳の不自由な蒙古族の女性、ノミンチチグさんをご紹介します。

 今お聞きいただいているのは舞踊「千手観音」の伴奏音楽です。音楽の中で、ノミンチチグさんとパートナーの皆さんは美しい天使のように、音楽のテンポに合わせて踊っています。感情を込めた踊りは完璧に見えます。実は、ノミンチチグさんたちは、音が全く聞こえない状態です。彼女たちはすべて手話の先生の手振り身振りを見ながら、身体で覚えたテンポに合わせて踊っているのです。

    

 小柄なノミンチチグさんは今年25歳、黒髪を後にギュッと締めろポニーテールは、とても凛々しく見えます。彼女は頑張って挨拶をしてくれました。

 「皆さん、こんにちは。ノミンチチグといいます。お会いしてうれしいです。人生は美しいとおもいますよ。」

ノミンチチグさんは新疆のある蒙古族の家庭に生まれました。二歳の時、病気で聴覚を失ってしまいました。しかし、父親ノミンダラさんから見れば、彼女は他の普通の子供と変わらないです。

 「ノミンチチグは頭がいい子です。1歳を過ぎた時、数字を数えられたし、喋られるようにもなりました。音楽を聴くと、そのテンポに乗って、身体を動かすこともできます。聞こえなくなっても、自信を持って生活を楽しんでいます。勉強が好きで、辛抱強く、普通の子供より優れたところもあると思います。」

  

 6歳の時、両親は彼女を普通の学校に入りました。音楽が聞こえないので、踊りを覚えるのは大変難しかったということです。しかし、彼女は諦めずに、先生に励まされながら、踊りの要領を早くも把握しました。彼女から見ると、踊りは楽しいことで、自分の気持ちを表現できます。踊ることによって、世界が聞こえるように感じています。踊りを稽古するため、ノミンチチグは人々が想像できないほど頑張っていました。妹のザヤさんは、お姉ちゃんが踊りを練習する様子を見ていると、涙がこぼれてしまいました。

 印象に残ったのはある冬の日、姉の踊りの練習に付き合いました。とても難しい踊りなので、彼女は休まずに汗びしょびしょで練習していたの。膝が地面に何回もぶつかるうちに、だんだん血が出てしまいました。その日、朝から晩まで、ご飯も食べずに練習しました。とても辛かったのですよ。姉の姿を見て、心が痛みます。」

 このようにして、踊りはノミンチチグの生活で欠かせない一部になりました。中国身障者芸術団に入ってから、彼女はもっと懸命に練習に励んでいます。パートナーも同じく耳の不自由な人なので、音楽に合わせるため、ひとつの動作は数十回も繰り返しなければなりません。特に「千手観音」の練習はもっと大変です。毎日のように、朝から晩まで数十回も練習していました。それでも、ノミンチチグさんは、美しい舞踊を披露して、観衆の拍手喝采(かっさい)を浴びれば、どんな苦労しても報われると考えています。

 ノミンチチグさんとパートナーたちは、強い意志と優しい気持ちで、「千手観音」を演じており、人々を感動させています。父親のノミンダラさんは娘の練習を見たことがあります。

  

 これら目の不自由な子は本当に大変です。美しい身振りを見せるため、健(けん)常者(じょうしゃ)より、数倍の苦労をしていました。繰り返し練習しているうちに、自分に対する要求も厳しくなっています。娘の真面目な姿をみて、私は嬉しく感じました。よりいいパフォーマンスができると信じています。

 「千手観音」の主旨は、「どんな人でも、愛を込めた優しい心を持っていれば、千本の手があなたを助けてくれるし、あなたも人を助ける千本の手を持つようになる」ということです。

 ノミンチチグさんのパートナーたちは、手で愛を伝えています。パラリンピックの閉幕式で披露した踊りは、世界から注目を集めました。その後、多くの国と地域でも披露されましたが、どこでも暖かく歓迎されました。人々はその完璧な踊りに対して、「心が打たれた!」「涙が出るほど感動した」と評価されました。

 ノミンチチグさんは、「今まで得られた成績は、家族の支援と自らの努力と関わっています。踊りを通して、幸せに感じました」と話しています。

 「私の世界は、音の無い世界ではないのです。心で幸せを感じれば、楽しくなります。自分の生活も彩り豊かになると信じています」

  

 今、ノミンチチグさんは中国身障者芸術団から卒業し、ウルムチのある大学図書館の管理員となりました。現在の仕事は気に入っているということです。同僚の楊建華さんは「彼女は勉強好きで、向上心が強い。皆、彼女のことがすきです」と紹介しています。

 「図書館の仕事は複雑ですが、彼女はよく頑張っています。耳が不自由だけれど、健常者と同じ基準を自分自身に求め、仕事に励んでいます。勤勉な人ですよ。」

 今、ノミンチチグさんは結婚しました。ご主人も耳の不自由な人で、愛情が深い二人は自分なりの手話を作り出したそうです。ノミンチチグさんは、「このように安定した生活が好きで、すべての幸せな家庭と同じように、今の生活を楽しんでいます」と話しています。

 では最後に、今日の問題を繰り返します。「ノミンチチグさんはどんな民族の人でしょうか。」

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