アブレチ・マイグンさんと初めて会ったとき、ダワズと新疆民族特色のある音楽と舞踏に関する話題になり、彼はずいぶん興奮し、気持ちよさそうに、ロワプで「ボカム」という民間歌謡を歌ってくれました。ロワプはウイグル族の中でとてもはやっている弦楽器の一つで、長さは1メートル30センチ、その下部には羊の皮で作られた共鳴箱があり、演奏した音楽は人を感動させるほど美しく響きます。ダワズは中国新疆ウイグル自治区で広く伝わっている古い歴史を持つサーカスの一つで、つまり、地上にワイヤーを張って綱渡りをすることです。その独特なところは出演者が安全ベルトを付けずに、手にバランスを取るための棒を持ち、地面から10数メートルから数十メートル離れた空中で様々な非常に難しい技を披露することにあります。ダワズはそのスリル、危険性、難しさで、ウイグル族の人々に「勇士のゲーム」だと言われています。

　ダワズというこの綱渡りのサーカスは、中国で3千年近くの歴史を持っており、その後、戦乱で伝えられない状態に陥りましたが、幸い、新疆のあるウイグル族家庭がその技を受け継ぎました。ここ数年来、新疆ダワズ職人の努力で、この長い歴史を持つ民間芸術は、多くの人々の注目を集めるようになり、アブレチ・マイグンさんはその中の一人です。

　アブレチ・マイグンさんはダワズの代表的な出演者です。彼は地上から28メートル上空にワイヤーで、歌を歌ったり、踊ったりして38日間を送ったことで7項目の世界ギネスブックに載りました。