同里は中国で有名な観光名所、蘇州より十数キロメートル離れた1000年以上の歴史を持つ水郷古鎮(古い村)です。有名な太湖の東の湖畔にある同里は,網の目のような川に分割され、鎮(村)内の通りや建物が全て川沿いに建てられています。
同里には橋は欠かせません。地元の張福生さんは同里の橋について・・・。
「同里ではあらゆる家が川を臨み、鎮内ではどこからでも川が見える。鎮の面積は小さいが、15の河川が流れる。これら川は同里を7つの島を分けて、島内は40以上の橋でつながっている。」
これら橋の中で、最も古いのは「思本橋」と言い、700年前に架けられたものです。逆に最も小さいのは「独歩橋」で、長さ2メートル幅1メートルしかありません。そのうち、「富観橋」は「鯉に龍門」の言い伝えに因んだものだとガイドの王翹さんが教えてくれました。
「橋に『桃花浪里魚化龍』と題する石彫がある。この言葉は、3月桃の花が咲く頃、龍門を跳び越えて仙人の世界に入ろうとした鯉がいた。一生懸命に跳び上がろうとした時、橋を渡る美しい女性に心を奪われ、龍門の半分しか跳び上がれなかった。そこで、頭は龍になったが、体は鯉のままだった。」
橋のほかに、同里の古い建物も見学する価値があります。ここの四割以上の建物は百年前に建てられたものです。特に、昔お金持ちの屋敷は精巧な木彫とレンガ彫刻で飾られ、素朴ですが雅やかな雰囲気が漂っています。
ここにある、ユネスコの世界遺産リストに登録された庭園「退思園」は見逃せない場所です。退思園はそもそも清の時代の退職した元官吏が、帰省後に建てた個人の庭園です。庭園全体は素朴で控えめで、「退而思過(一歩退いて、過失を反省する)」という考えを体現しています。
退思園は面積が0.6ヘクタールしかなく、江南水郷の特徴を生かして、移動するたびに景色が変わって見られるように工夫してあります。園内の半分以上は水がで覆われ、湖水の中心に東屋(あずまや)や楼閣を建て、建物が水面に浮いているように工夫されています。北岸の辺にある退思草堂から庭園を見ると、周りの景色はそれぞれの場所が一幅の絵になり、相呼応して広大な絵画にも見えます。
退思園は中国の個人庭園の逸品と言われています。ここを観光した李さんは、「江南地方のほかの庭園にも行ったが、ここが一番だと思う。清らかで雅やかで、精神がリラックスできる場所だと思う」と感想を話しました。
料理:川魚をメインにした江南料理
「状元(昔科挙試験の全国一位)豚足」
宿泊:昔の住宅で改築した民宿に泊まれば、川の流れを聞きながら安眠が出来ます。
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