西湖は、中国東部浙江省の杭州市内にあり、湖面は5.6平方キロに及びますが、ここを中心とする観光名所の面積は50平方キロ近くあります。陽春三月、西湖のほとりを歩くと、満開の玉蘭や、桜、桃の花のにおいが漂い、芽生えた柳がそよ風の中で揺るぎ、気分が最高です。
古代の文人が西湖の最も美しい風景ベストテンを選び、「西湖十景」と名づけました。そのうちの一つは「蘇堤春暁」です。蘇堤は11世紀の宋の時代に建てられ、南は南屏山から、北のほうは栖霞嶺まで伸びており、全長は3キロ近くあります。宋の時代、西湖をさらうために掘り出した泥からこの蘇堤を築いたのです。蘇堤を歩きながら西湖の景色を味わうことができます。蘇堤の美しさはその周辺に植えられたさまざまな植物に表れます。春になると、鮮やかな花と新しく出た葉っぱによって、活気にあふれています。そのため、中国古代の画家はこの"蘇堤春暁"を「西湖十景」のトップに位置づけたのではないかと思います。
ここ三年、毎年春になると必ず西湖を訪れる高泉さんは西湖の魅力について、こう言いました。
「私はいつも3月に西湖を訪れます。この時の景色は非常に美しくて魅了されたのです。緑が目にいっぱい入って、空気もきれいですから、心も清らかになったような気がします。特に心を惹かれるのは蘇堤ですよ。蘇堤に植えられた柳が西湖のシンボルとも言え、六つの橋が見え隠れしているようで本当に美しいです」
高泉さんが言ったこの六つの橋はいずれも蘇堤にあるアーチ形の橋です。堤防と橋からなった蘇堤は西湖を見学する絶好な場となっています。この六つの橋のうち、東浦橋は夕日を、跨虹橋からは虹を見る絶好のところです。
3月に西湖を訪れると、鳥が見られる「柳波聞鴬」という風景を見逃してはなりません。ここはもともと皇室園林で、柳の林に"百鳥の天国"と呼ばれる巨大な籠があります。籠には、百以上のコウライウグイスや、ガビチョウ、ソウシチョウなどの鳥が楽しい歌を歌っています。
かつて、毛沢東元主席は40回も西湖を訪れたそうです。また、アメリカのニクソン元大統領も2回西湖を見学し、「北京は、中国の首都で、杭州は中国の心だ」と評価しました。アメリカからのジョン・リーさんは西湖への憧れを教えてくれました。「春は、万物が蘇る季節です。三月の西湖は一番美しいです。赤い桃の花と緑の柳、それに空を飛んでいる凧揚げは美しい絵となっています。ここは見応えのあるところですよ。空気もきれいだし、名所旧跡も多いし、大人にも子供にもすばらしいところです。私は大好きです。」
西湖景観区はいろんな楽しみ方があります。コーヒーが飲みたい方は南山路、買い物したい方は湖浜街、旧跡を訪れたい方は北山街へ、どこでも好きなところに行けます。そして、観光客に便宜を提供するために、西湖レークサイドパークは無料開放されました。
西湖見学には一番便利なのは、観光バッテリーカーです。一人は40元で、およそ1時半ぐらい西湖を一周することができます。西湖の楽しさを十分味わいたければ観光船に乗るのがお勧めです。コースによって料金が違います。それから、自転車で西湖を回るのは、特にカップルに好まれています。西湖の周りに多くの自転車貸し出し場所があります。料金は普通1時間10元です。もし自分の体力に自信があれば、歩いてゆっくり西湖を見学するのもいい選択です。それはおよそ5時間ぐらいかかります。
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