中国の胡錦涛国家主席は、21日ペルーの首都リマで開催されたAPEC・アジア太平洋経済協力機構首脳会議のCEOサミットで、「協力による経済発展の促進」と題した演説を行い、国際金融危機と中国の発展に関する見解を示しました。
CEOサミットは、APECの重要な会合のひとつで、今年はアジア・太平洋地域の企業責任者ら1200人以上が参加しました。現地時間の21日午後、胡主席はペルー国防省会議センターで開かれたサミットに出席し、演説を行いました。
胡主席は拍手で迎えられました。
国際金融危機について、胡主席は、各国が迅速に必要な財政・通貨政策をとり、危機の拡散を防いで経済発展につなげることを呼びかけました。中国はすでに、国内銀行システムの安定化や他国とのマクロ経済における政策協力を行っています。それらを踏まえた上で、胡主席は引き続き責任感を持って国際社会と共に金融市場の安定に努めると表明しました。
また、国際金融体制の改革に関しては、国際社会は一層協力し、危機を事前に予測する能力や管理・監視能力を高めること、国際金融機構のリスクの回避に対する責任を強化し、発展途上国の発言権を高めること、地域間の金融協力を促し、地域間で助け合うこと、国際通貨システムの多元化を徐々に推進して、現存の国際通貨システムの有効性を強化すること、各金融機構と仲介機構のリスク管理、オペレーションの透明度を上げることなどを指摘しました。以下は、胡主席の談話です。
「中国は引き続き、世界経済システムの持続可能な発展を促し、秩序ある国際金融システムや公正かつ合理的な貿易システム、効果的なグローバル発展システムを推し進める。中国は自身の発展を実現させると同時に、パートナー国、特に発展途上国の利益を注目している。国際社会は発展途上国の発展を支え、生活の改善や貿易・投資の自由化・便利化を推し進め、共に世界経済を繁栄させていかなければならない」
また、中国の発展に世界から関心を寄せられていることについては、「改革開放は中国の経済社会にかつてない成果をもたらしたが、中国は今でも世界最大の発展途上国であり、現代化を実現するまでには、まだまだ長い道を歩まなければならない」と述べました。
胡錦涛国家主席は中国が国際経済環境の変化や重大な自然災害にいかに対応したかを紹介し、好調な中国経済が世界の金融市場や経済発展に重大な意義を持つと指摘しました。
また、胡錦涛国家主席は、国際金融市場の安定と世界経済の健全的な発展を維持するために、各企業、特に海外企業の役割が重要だと強調し、企業が責任感を高めると同時に、政府も引導していく必要があると呼びかけました。
胡錦涛国家主席は「企業はグローバルな視野での責任感を持ち、社会的な責任を経営戦略に組み込まなければならない。また、法律やビジネスマナーに従い、経済利益と社会利益を統一させるべきだ。経済利益を獲得すると同時に、全体的な安定を考え、各種リスクに対応すべきだ。各国が指導的な役割を強め、より完備された法律を作り、良い環境を提供すべきだ」と強調しました。
CEO理事会の代表である、アメリカGM(ゼネラルモーターズ)のニック・ライリーCEOアジア太平洋地域代表は「中国政府が国際金融危機に対応し、一連の経済刺激政策を取ることは、今の状況で最善の決定である。APECのほかのメンバー国にもこれを習ってほしい」と指摘しました。
また、ニック・ライリーCEO代表は、「中国は科学発展を重視し、調和の取れた社会を構築することで、エネルギーの安全や環境保護の問題において勇気がある措置を取り、国際社会に重大な役割を果たした。APECの各メンバー国も政府と企業の協力を強め、共に問題を解決していってほしい」と述べました。(翻訳:シュ コウ)
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