APEC・アジア太平洋経済協力会議の第15回非公式首脳会議が8日オーストラリアの首都シドニーで開催し、『シドニー宣言』を採択しました。専門家は、「この『シドニー宣言』の採択は、気候変動問題の対応におけるAPEC加盟メンバーの積極的な態度を表すもので、『京都議定書』の期限後の気候変動に関する交渉にも積極的な影響を及ぼす」としています。
この『シドニー宣言』には、次のような内容が含まれています。それは、世界の温室ガスの排出量削減に向けた長期的な目標を制定し、気候変動に関する今後の国際法則を確立すること。各加盟メンバーの社会と経済の発展状況に基づき、それぞれの責任と行動能力を明確にすること。クリーン開発と関連技術を普及させること。エネルギーの利用効率と森林カバー率を向上させる目標を制定し、経済成長を保つと同時に、温室ガスの排出量削減を実現させるための関連政策の実施を強化することです。
この『シドニー宣言』の採択には、その背景があります。先進国の排出量削減の基準を定めた『京都議定書』は2012年を実施期限としており、現在は、2012年以降の関連規則を巡り、『京都議定書』の実施を継続させるための交渉が既に始まりました。また、気候変動の問題は環境と気候の分野だけでなく、政治、経済及び発展の分野にも影響を及ぼしています。その実質は、今後は関係各方面がエネルギーと経済の発展過程でそれぞれの優位を争うこと、つまり世界の公共資源を利用し配分することです。気候変動問題を解決する上で、いま、関係の各方面とグループの間には意見の食い違いが存在しているため、交流と交渉を強めて共通の認識に達しなければなりません。
この『シドニー宣言』は、各加盟メンバーが技術革新を通じて、経済の高度成長を保つと同時に、省エネと排出量の削減を実現させることを奨励しています。これは、地球温暖化の速度を緩和することにとって、積極的な意義があります。
この宣言は、APEC加盟メンバーのエネルギーの利用効率向上のために、次のような目標を打ち出しました。それは2030年までに域内のエネルギーの利用効率を2005年より25%増やすこと。2020年までに域内の森林面積を少なくとも2000万ヘクタール増加させることです。また、この宣言は、国連の気候変動プロセスは、気候変動問題に関する国際的な交渉の実施に見合った多国間フォーラムだということ認めました。これは、交渉と協議の継続という今後の方向を示すもので、今後の気候変動問題に関する交渉にも積極的な影響を及ぼすと見られています。これについてオーストラリアのハワード首相は、「この宣言は、国際社会が気候変動問題で合意に達したことを示す重要な標識である。この宣言は、この問題での進展の必要性を強調しただけでなく、異なる国や地区に対する基準を区別している」と語りました。
今回のAPEC非公式首脳会議は、「地球村の建設を強化し、持続可能な未来を作ろう」ということをテーマとしましたが、この『シドニー宣言』の採択は、この目標実現のため踏み出した一歩だと見られているのです。
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