APEC・アジア太平洋経済協力会議第15回非公式首脳会議の第2段階会議が9日シドニーで開かれ、席上、中国の胡錦涛国家主席がドーハ交渉や地域経済の一体化などについて発言しました。
第二段階会議で胡錦涛主席は、ドーハ交渉について、「公正、公開、かつ合理的で差別のない多国間の貿易体制は、すべての国、特に発展途上国の経済振興にとって極めて重要だ。中国はほかのメンバーと共に、ドーハ交渉で全面的でバランスの取れた結果が収められるよう努力していく」との姿勢を示しました。
地域経済の一体化問題について、胡錦涛主席は、「アジア太平洋地域の多様性を十分考慮し、APECは異なるレベルと範囲で、様々なルートや方法を通じて、地域経済の一体化を推進していくべきだ」と強調しました。
そして構造改革問題について胡錦涛主席は、「中国は現在、改革と発展では非常に重要な時期にある。政府の職能の転換と企業、財政、金融などの改革を強化することを重点にし、社会主義の市場経済体制を整備し、経済の発展様式の転換や持続的な発展を促す体制を確立していく」と述べました。
会議に参加した指導者らは、ボゴール目標実現のために引き続き努力し、地域経済の一体化を推進し、グローバル化という状況での発展のチャンスとチャレンジに適切に対応し、あらゆる貿易保護主義に反対し、アジア太平洋地域の持続可能な発展と繁栄を確保することで一致に達したほか、域内の経済、貿易と技術面での協力を促進するため、APECのプロセスを強化していくとしています。
第2段階会議は、WTO・世界貿易機関のドーハ交渉に関する声明を発表しました。この声明は、「APEC加盟メンバーの指導者らは、関連規則を基準として、WTOの世界貿易システムを構築する重要性を強調し、ドーハ交渉を早期に終わらせる決意を示した」としています。
第2段階会議の後、胡錦涛主席は、オーストラリアのハワード首相が主催する昼食会に参加しました。当日午後に、胡錦涛主席は、今回の非公式首脳会議が発表した宣言の宣誓式に出席しました。この宣言は、「各加盟メンバーは、地域経済の一体化を促進し、自由で開放的な市場を設置し、国民の安全を確保することに共に尽力してきた。これらの努力は、各加盟メンバーの経済発展を促進し、それれぞれの国民の生活レベルを改善した。APECは、域内の経済が引き続き高度成長を維持し、その中で、貧困撲滅や国民生活レベルの向上などで一層の進展を遂げることができると信じており、さらに、予定の目標実現に直接の影響をもたらす動きに注目し、これには相応の措置を取る」としています。
また、この宣言は、気候変動やエネルギーの安全、クリーン開発、多国間貿易システムの重要性、地域経済の一体化、それに安全保障の強化などの分野で加盟メンバーが達した共通の認識事項を紹介しました。
9日午後、APEC第15回非公式首脳会議は閉幕しましたが、次の第16回非公式首脳会議は、2008年にペルーの首都リマで行われる予定です。
|