中国が二年間の投資総額が4兆元に達する景気刺激策を9日発表し、全世界で大きな反響を呼び起こしています。この対策により市場に対する信頼が高まり、中国経済の持続成長を守るためにプラスとなると見られています。金融危機が広がる現状の下で、中国がインフラへの投資を拡大することは内需の拡大につながり、金融危機による外需の不足を補うことができると分析されています。
国家発展改革委員会産業発展研究所の胡春力所長は、今回、中国が打ち出した巨額の景気刺激策は、当面の国内経済の情況と国際経済危機の影響を考慮して行った適時な対応策で、「成長を守ろう」とする強い姿勢を感じるとしています。胡所長は「アメリカと西ヨーロッパから端を発した経済危機は、すでにわが国の経済に大きな影響を及ぼしています。経済成長の勢いを保つため、断固とした措置を講じなければなりません。外需が低迷している中で、内需の拡大を通じて経済の新たな原動力と成長ポイントを見出します。」 と語りました。
この景気刺激策によりますと、2010年末まで、中国は4兆元を投資し、インフラや公共交通、生態環境の整備、災害発生後の復旧作業、および低所得層の所得レベル向上などを含む10項目に充てます。これと同時に、財政政策は「穏健」なものから「積極的」なものに、通貨政策は「緊縮的」なものから「適度に緩和した」ものに方針を転換させています。国務院発展研究センターの劉世錦副主任の話です。
「今回、内需を拡大する中で、国民の生活の改善に取り組むことが重要な特徴のひとつとなっています。住宅の保障や医療衛生の改善、教育への投資などから国民は大きな利益を受けることができます。こういったことが向上できれば、国民にとっては老後の心配もなくなりますね。」
専門家は、中国がG20サミットが開かれる前に、景気刺激策を打ち出すことを決めたのは、海外に「自国の状態を整備することこそ、世界経済への最大の貢献だ」というメッセージを伝え、責任を持つ大国のイメージを表わそうとしたため、また中国は金融危機の救済に参加すべきだという外部からの要望に答えたためと分析しています。
中国国家統計局の姚景源チーフエコノミストは、「景気刺激策がもたらす中国経済への推進力は、短期間では判断できないが、現在、中国経済は全般的に良好で、内部の需要の潜在力が大きく、金融システムが安定していることから、中国は金融危機に対応する十分な自信を持っている」と指摘しました。姚景源チーフエコノミストはさらにこう語っています。
「われわれの自信は二つの面から来ています。そのひとつはアメリカとかかわっています。アメリカがサブプライムローン問題による危機を乗り越えることができれば、中国経済の発展はよい外部環境に恵まれることでしょう。また、もうひとつは私たち自身にかかわっています。自国のことをうまく成し遂げることができれば、何事もスムーズに進むと確信しています。」
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