中国の温家宝首相が10月27日から31日までの5日間、ロシアとカザフスタンを訪問しました。訪問期間中、ロシアのプーチン首相と会談を行い、カザフスタンで上海協力機構の首相会合に出席しました。
温家宝首相の外遊に随行した外務省の楊潔チ外相は31日、記者会見を行いました。
楊潔チ外相は「世界金融危機が拡大すると共に、国際情勢が複雑化し、世界経済の不確定性・不安定性要素が増している。意見交換と協調、協力を強化し、リスクの防止と対応を行うことは上海協力機構加盟国の共通した願いである」と述べました。
温家宝首相のロシア訪問をめぐり、楊潔チ外相は「温家宝首相はメドベージェフ大統領、プーチン首相とそれぞれ会談し、両国関係、金融危機など重要な国際・地域問題について広範な意見交換を行なった。温家宝首相は『政治的相互信頼を前提として互いの関心事と中核利益に配慮し、互いに発展を支持し合い、重大な問題に対しては即時に意見交換と調整を行なうべきである』と主張した。ロシア側は中国との協調を強め、各分野の危機に対応し、公正かつ合理的な国際政治経済秩序の確立を推進していくとの立場を表明した。また両国は世界金融機関の組織改革と国際通貨体制の多角化を推進させる。そして新興国と途上国の発言権を拡大させ、世界の金融監視体制を改革することで共に努力する。さらに貿易秩序を合理化・規範化し、エネルギー、投資、機械とエレクトロニクス、宇宙航空などの分野での協力を拡大することで合意した。両国はまた、原油輸送パイプライン敷設契約など協力プロジェクト14件に調印した」と説明しました。
温家宝首相のカザフスタン訪問について、楊潔チ外相は「温家宝首相は初めてカザフスタンを訪問した。両国はエネルギーと資源分野以外の協力を拡大し、税関と安全保障分野の協力を強化し、テロリズム、分離主義、過激主義を撲滅することで合意した。双方は世界金融危機への対応を検討した。カザフスタン政府は『中国経済の安定的で速やかな発展は世界にとっても重要である』との見解を示した」と語りました。
今回の上海協力機構首脳会合について楊潔チ外相は「世界金融危機の影響は最重要課題となった。温家宝首相は中国経済の安定的かつ迅速な成長を求めると共に、他(た)の加盟国と協調を強め、各国の中央銀行や経済管理省庁との協力を通じて金融危機への対応策を模索する。各国の金融機関も協力して流動性を改善させ、金融市場を安定させ、監視を強化し、金融の安全を確保するよう提案した」と説明しました。
(ジョウ)
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