第63回国連総会に出席するためニューヨークの国連本部を訪れていた中国の温家宝首相は26日、訪問を終え北京に戻りました。温首相の今回の訪問について、同行した楊潔チ外相は「中国が改革開放と平和発展を続け、国際社会とともに進歩しようとする意欲を表明した旅だった」と述べました。
温家宝首相は23日から25日まで、国連ミレニアム開発目標に関するハイレベル会合と第63回国連総会に出席するため、首相就任以来初めて国連本部を訪れました。ニューヨーク訪問期間中、温首相はさまざまな場で中国の発展の位置づけや方向性などを説明しました。これによって国際社会の疑問に答えることができたと、楊潔チ外相は話しました。
「温首相はこの訪問で、我々の各分野における政策や立場、見方を発表した。まず、中国の今後の発展方向、つまり平和的な発展や改革開放、自主独立の平和的な外交政策を続けることを表明した。そして国際社会では、覇を称えないなどという立場を示した」
温家宝首相は国連のイベントに出席したほか、アメリカの金融問題について各国の指導者やアメリカの経済界の代表と意見を交わしました。これについて楊潔チ外相は、「温首相は中国の金融危機に対応する強い自信を伝えた」と、次のように述べました。
「いま世界で話題になっている金融危機について、温首相は、自信を持つことの重要性を強調した。この重要性には2つの意味がある。1つは、我々が、アメリカが対策を取っていることを理解した上で、早く効果が得られるよう期待しているということ。もう1つは、アメリカ金融の安定は、アメリカ、中国、そして全世界にも有利だということだ。温首相は、協力への積極的な姿勢を示したと思う」
アメリカでは間もなく大統領選挙が行われます。中米関係にとって重要な時期にニューヨークを訪問したことから、温家宝首相は訪問期間中、中米関係の発展を重視していると表明しました。アメリカの11の友好団体が主催した歓迎レセプションでは演説を行い、アメリカの政権が変わっても両国間の建設的協力関係を求める方針は変わることはないと強調しました。これについて楊潔チ外相は、こう述べました。
「温首相は、このレセプションで中米関係に関する政策を説明し、アメリカとの相互理解と友情を増進した。温首相の演説に対し、アメリカ各界の代表は大きな拍手を送り、内容を高く評価した。この訪問は、まさにアメリカ大統領選挙が行われる今年の中米関係の安定はもちろん、今後の関係発展にもプラスとなる」
温家宝首相の今回の国連訪問は、中国の指導者が北京五輪後に行った初めての多国間外交活動ですが、これは、単なる外交活動ではなく、政策の宣伝活動でもあったと、楊潔チ外相は語りました。(翻訳:鵬)
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