金融危機への対応策を協議するためのEU欧州連合の首脳会議は15日と16日の2日間、ブリュッセルで開かれました。
会議は12日開かれたユーロ圏15カ国首脳会議で取りまとめた「共同行動計画」をEU全加盟国で実施することで合意しました。
EU諸国は金融危機に対し、当初それぞれ自国の対応策を取りましたが、あまり効果が見られませんでした。
これに対し、欧州委員会のバローゾ委員長は「国家単位の対応はEU全加盟国の利益を損なうことになる」と指摘しました。
今回のEU首脳会議は、協調した行動で金融システムを再構築し、域内の景気と雇用を支援することで合意し、国境を超える金融機関への監督を強化し、月度の情報交換メカニズムの確立を求めました。
議長国であるフランスのサルコジ大統領は「現在のアメリカ主導の国際金融体制を全面的に改革し、新しい国際金融システムを再構築しなければならない」と強調し、金融の国際新基準を作るための国際首脳会議を年末までに開催するよう提案しました。
サルコジ大統領はさらに、「EUでは金融危機の拡大に伴い、経済危機が到来するだろう」と警告しました。
景気後退の拡大に対し、今回のEU首脳会議は域内産業競争力を維持するよう欧州委員会に求めました。
EUは2020年までに域内の温室効果ガス排出量を1990年に比べて20%減少するという気候変動対策目標を打ち出しましたが、イタリアのベルルスコーニ首相は「金融危機の中、こうした排出削減目標はEU経済にとってコストアップになる」と述べました。ポーランドなどの国も同様の見解をもっています。
今回のEU首脳会議はこの排出削減目標について、年内の正式合意を目指す方針を確認しました。
(ジョウ)
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