韓国の柳明桓(ユミョンファン)外交通商相は10日記者会見し、「朝鮮とアメリカは先週、核開発申告への検証方法で基本合意に達した」と明らかにしました。
柳明桓(ユミョンファン)外交通商相は「アメリカは核兵器製造につながるプルトニウム抽出問題をウラン濃縮、核拡散などの問題と分けて考えており、検証の方法は順次協議を行なう」と述べました。
アメリカのメディアによりますと、6カ国協議の交渉代表を務めたヒル国務次官補は先週ピョンヤンを訪れ、朝鮮と合意に達しました。
この合意に基づいて、アメリカは朝鮮に対するテロ支援国家指定を暫定的に解除し、朝鮮もアメリカの検証方法を承認して核施設の無能力化作業を継続するということです。
また、アメリカのメディアは現地時間9日、「ライス国務長官は10日、朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除を 発表するだろう」と報道しました。
一方、国務省のマコーマック報道官は10日の記者会見で「まだいかなる決定もしていない」と述べました。
朝鮮は6月26日、核開発に関する申告書を提出しました。
同日、ブッシュ大統領は45日以内に朝鮮に対するテロ支援国家への指定を解除すると表明しました。
8月、アメリカは朝鮮が核開発計画の申告内容に対する検証案に合意するまではテロ支援国指定解除に踏み切らないとの立場を明らかにしました。
これに対し、朝鮮は「アメリカの要求は6カ国協議で合意された行動対行動の原則に背いた」と反発し、寧辺(ニョンビョン)にある核施設の無能力化作業を中断して再稼動の方針を発表しました。
こうした難局に応じ、ヒル国務次官補は先週ピョンヤンを訪問しました。
ヒル国務次官補は「朝鮮が検証に応じれば、アメリカはテロ支援国指定解除を行う。訪問の目的は核放棄に向けたプロセスを軌道に戻すことにある」と強調しました。
韓国メディアは「ヒル次官補のピョンヤン訪問でアメリカと朝鮮双方は互いに妥協し、いずれも柔軟性を示した。アメリカはプルトニウム抽出への検証を行なった後、テロ支援国家への指定を暫定的に解除し、申告内容の検証を順次に進めていくことを決定した」としました。
国際世論は「ブッシュ政権の外交は泥沼状態にあるが、朝鮮の核問題だけは進展を見せた。ブッシュ大統領は来月上旬の大統領選を前に、核申告書の検証問題を決着させて段階的な成果を得ることを狙っている」としました。 (ジョウ)
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