中国の温家宝首相が、ウズベキスタン、トルクメニスタン、ベラルーシ、ロシアの4カ国の訪問を終え、7日午前北京に戻りました。今回の訪問について温首相に同行した楊潔チ外相は、「この4カ国との善隣友好関係を固めることができたほか、政治的な信頼関係を深め、実務的協力を推し進めることができた実り豊かな訪問だった」と述べています。
温家宝首相は今月2日から6日にかけ、ウズベキスタン、トルクメニスタン、ベラルーシ、ロシアを訪問しました。その期間中、上海協力機構の首相理事会第6回会合や、ロシアの首相との第12回定期会合、それにロシアで開催された「中国国家年」イベントの閉幕式に出席しました。
上海協力機構首相理事会の第6回会合で、温家宝首相は加盟国間の協力の拡大に向けて、法律や法規、政策の協調を強化し、貿易・投資環境を整備すること、また、経済協力メカニズムを構築し健全化することなどを主張しました。また、経済・農業・エネルギー・交通・通信などでの協力を強化し、相手への投資や企業の協力を奨励するほか、科学技術・教育・環境保護などにおける交流や協力を大きく推進すると強調しました。その上で各加盟国に対して、近年締結した協定や合意事項をいち早く実施するよう呼びかけました。
今回の訪問で温家宝首相に同行した楊潔チ外相は、温首相の主張や提案は、上海協力機構加盟国間の実務的協力を推進していると見ています。
楊潔チ外相によりますと、温首相はロシアを訪問中、ロシアの指導者とともに両国の戦略的パートナーシップを推進させることで一致し、一連の合意文書を締結しました。温家宝首相はロシアの指導者との会談で、「世代から世代にわたる友好・共同進歩」という理念を貫き、ロシアとの戦略的協力を強化していくと述べました。これに対し、ロシアの指導者は、中国との長期的で安定した協力を行っていくことを改めて表明しました。
温家宝首相はウズベキスタン、トルクメニスタン、ベラルーシとも2国間協力に関する文書に調印しました。温首相は3カ国の指導者との会談で、「中国は、3カ国の国民が自ら選ぶ発展の道を尊重するとともに、それぞれが国の主権や安全を確保し、経済を発展させることを支持する。また、諸外国が『人権』などを理由に3カ国へ内部干渉することに反対する」と述べました。これに対し3カ国の指導者は、台湾問題やチベット問題、それに「東トルキスタン」の取り締まりなどで、引き続き中国を支持していくと表明しました。ウズベキスタンとトルクメニスタンの指導者は、中国との安全協力を強化し、テロリズム・分離主義・過激主義のいわゆる「三悪勢力」の取り締まりに取り組んでいく意向を示しました。また、ベラルーシ政府は、台湾の国連加盟住民投票など「台湾独立」活動に断固として反対するとの声明を発表しました。
このほか、温家宝首相はこの3カ国の指導者との会談で、経済貿易協力の水準を高めることを提案した上で、政府や立法機関の交流を強化し、国際または地域問題での協調を密接にし、人的交流を推進することなどで意見を一致させました。(翻訳:鵬)
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