第63回国連総会で23日、一般討論が始まりました。6日間にわたる会議の期間中、150カ国の国家元首や政府首脳、閣僚などがニューヨークの国連本部で、国際社会における現在の重要問題についてそれぞれの立場を述べることになっています。中国の温家宝首相は24日、一般討論で演説し、現在の国際情勢や中国と世界が直面している開発問題について中国の立場と見方を説明します。
専門家は「現在、世界は様々な課題に直面している。今回の会議では、各国の指導者は引き続き気候変動、食糧危機、金融危機などの世界的な問題に関心を示すほか、グルジアでの武力衝突やイラン核問題、ダルフール問題も焦点になる。また、国連安保理の改革などの問題も討論の重点になる」と見ています。
国連のパン・ギムン事務総長は一般討論の前に行った講演で、「現在、世界が直面している多くの困難と課題の解決には、各国政府と国民の団結と協力が必要である」と述べた上で、気候変動やエイズ対策、人権問題などの分野で各国の指導者は強い政治意志を表し、確実に有効な措置を講じてこれらの問題の解決に当たるよう呼びかけました。
ミゲル・デスコト・ブロックマン議長はその発言の中で、「団結の強化は、100カ国余りの指導者が参加した大会への世界の人々の願いである。世界の食糧価格が高騰する中で、『世界の食糧危機がミレニアム開発目標に与える影響』を一般討論のテーマの一つにした」と述べました。
開発に関わる議題のほか、地域の安全問題も各国代表の注目を集めています。アメリカを初めとする西側諸国とロシアとのグルジア問題での激しい対立、イラン核問題の行方、コソボが一方的に独立を宣言した問題なども注目されています。
一般討論の中で、アメリカやフランスなど西側諸国の指導者はそれぞれの立場を述べ、イランやグルジアなどの国の首脳も自らの立場を主張しました。
アメリカのブッシュ大統領は主に反テロと安全情勢について演説しました。ブッシュ大統領は「過激派とテロリストが人類にもたらした課題に対応するため、国連の重要性は日増しに高まっている。反テロ活動はアフガニスタンとイラクで進展しているが、依然として多くの新しい課題に直面している。シリアやイランを含む一部の国はまだテロを支援している」と述べました。
イランのアフマディネジャド大統領は、ブッシュ大統領の演説に反対を表明しました。アフマディネジャド大統領は「アフガニスタンの国民は苦痛と災難を受け続けている。アメリカがイラク戦争を発動した目的は、この地区の豊富な石油資源を狙ったものだ。原子力の平和利用はイランの正当な権利である。イランは自らの権利を断固として守り抜く」と強調しました。
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