21日の国際平和デーを前に、国連は19日、ニューヨーク本部で記念活動を行いました。パン・ギムン(潘基文)事務総長や第63回国連総会のニカラグアのミゲル・デスコト議長など国連の高官が参加しました。
記念活動は楽団の演奏と平和を呼びかける歌声の中で始まりました。パン・ギムン事務総長は平和を象徴する鐘を鳴らした後、平和を呼びかけるメールを発信すると共に、同じようなメールを発信するよう世界各国の人々に呼びかけました。メールの内容は「9月21日の国際平和デーでは、手を携えて、紛争や貧困、飢餓と戦い、全ての人の人権のために努力していくよう世界の人々に呼びかける」としています。
平和のメールの発信は米国全土で行われます。メールの内容は国連のウェブサイトで発表されると共に、来週開かれる国連総会ハイレベル会議で、総会議長と各国政府の首脳に伝えられます。
式典の挨拶で、パン・ギムン事務総長は「今年は『世界人権宣言』採択60周年に当たる。そのため、国際平和デーも特別な意義を持っている。平和は人権と深く関わっている。しかし、世界各地では依然、多くの人の権利が侵害されている。そのため、『世界人権宣言』が提唱する権利を確実に実現し、各地に暮らしている人々にこうした権利を知ってもらい、享受させなければならない」と強調しました。
また、デスコト議長は「国際平和デーを9月21日にしたのは非常に適切である。この時期は、ちょうど年に1度の国連総会の開催と重なる。大会期間中、192の加盟国の代表がニューヨーク本部に集まり、世界の平和への期待と確約、貧困撲滅や人権保護などの面での各国政府共通の決意を改めて表明するからだ」と述べました。
記念式典終了後、700人余りの学生の代表が参加して、「平和と人権」をテーマに話し合うシンポジウムが行われました。その際、パン・ギムン事務総長は「若者には権力と地位がないかもしれないが、インターネット社会で優位性を持っている。若者は簡単にインターネットを利用して、自分のメッセージを多くの人々に伝えられる。これは人種や国家、地域を越えたものであり、もし若者たちは自分が関心を寄せる問題について人々に呼びかけるなら、世界は大きく変化していくに違いない」と述べました。
また同日、国連の関係機関も多くの国々で記念活動を行いました。タイ・バンコクにある国連アジア太平洋経済社会委員会は「平和と人権」をテーマとする青年フォーラムを開きました。アルメニアの首都エレバンでは、スポーツによる平和促進を趣旨とする将棋大会が開かれました。
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