中国政府は、生産現場の安全性を重視しています。2000年から、毎年、メディアが安全生産についての取材活動を行っています。今年の取材は、6月12日から30日まで、湖南省、貴州省、雲南省で行われました。活動に参加した政府関係者は、生産現場の安全を確保しながら経済発展を推進しなければならないと強調しました。
国家安全生産監督管理局は、中国全国の生産状況を監督する専門機構です。当局の楊元元副局長は、「全国の生産現場の安全性について、全体的に好転しているものの、状況は依然として厳しい」と語りました。状況が厳しいと判断する理由について、楊副局長は、 「急速な経済発展とともに多くの企業で、機械化が進まず、技術者不足になっている。これが、生産の安全性を高める上で制約になっている」と語りました。
厳しい状況に対して、中国の各級の政府は、一連の対応策を行い、経済発展と安全生産の統合に力を入れています。
例えば、爆竹と花火を多く生産する湖南省では、事故を減らすことで成果を収めました。湖南省安全生産監督管理局の謝光祥局長は、湖南省が実施した対応策を紹介しました。謝局長は、「伝統的な家内工業の作業場を工場にする。標準に照らして、工場を建設し、従業員の数を定め、生産量を厳しく管理する。これらの措置により、事故が大幅に減少した。我々は、工場化、機械化、集約化、科学技術化を進めていきたい」と語りました。
中国西南部の貴州省には、小規模の炭鉱が沢山あります。現地政府は、生産条件が揃っていない小規模の炭鉱を閉鎖する一方、将来性がありながら技術と管理の経験が不十分な炭鉱に対して援助の措置を取っています。現地の国有の大規模な炭鉱が、こうした小規模の炭鉱を技術面や管理面で直接支援します。これによって、小規模の炭鉱の事故は、大幅に減りました。貴州省安全生産監督管理局の葉文邦副局長は、「技術面で援助して、危険性が潜んでいる部分をチェックした。また、国有炭鉱の管理理念を導入して、管理を規範化した」と述べました。
安全管理の面で存在する問題のほか、労働者の安全意識が乏しいことも、事故が起きる原因の一つです。国家安全生産監督管理局宣伝教育センターの金磊夫主任は、「今後、出稼ぎ労働者や学生・生徒への安全教育を強化し、安全意識を高めたい」との認識を示しました。
また、金磊夫主任は、「中国の経済発展は、人を基本とし、生産の安全性を確保しながら、経済発展を推し進めるべきだ」と強調しました。
先日開かれた国務院の特別会議で、各級政府は人命を大事にして、安全の問題をより重視しなけらばならないと強調されました。(翻訳:李軼豪)
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