サイクロンで甚大な被害を受けたミャンマーへの被災者支援と今後の復興策を協議する国際支援会合が25日、ヤンゴンで開催されました。
会合には国連や東南アジア諸国連合など52の国や国際機関から500人が参加しました。
まず、会場で参加者は犠牲者に1分間黙祷しました。
ミャンマー政府が発表した被災状況によりますと、サイクロン「ナルギス」による死者と行方不明者は13万人を超え、経済損失は110億ドルに上ったということです。
潘基文国連事務総長は「サイクロンはエーヤーワディデルタ地帯を直撃し、ミャンマーのコメ生産地に壊滅的な打撃を加えた。こうした甚大な被害に単独で対応できる国は殆ど無い。国際社会は数カ月から半年にわたって被災者の生活と被災地の復興を支援する」と述べました。
中国の楊潔篪外相は「四川大地震で中国は全力を挙げて、震災救援復興作業を進めているが、同じく自然災害で甚大な被害を受けたミャンマー国民も支援すべきである。中国政府は追加支援として1000万ドルを拠出する」と明らかにしました。
楊潔篪外相はまた「中国はミャンマーへの災害復興支援における国連と東南アジア諸国連合の役割を支持し、また、支援調整で東南アジア諸国連合の主導的な役割を支持する。支援は人道主義的な行動であり、政治化されるべきではない」と強調しました。
また、25日の会合で、7250万ドルを拠出したEUは2680万ドルを追加支援し、オーストラリアも2400万ドルを拠出しました。
フィリピンと韓国も支援枠をそれぞれ2000万ドルと250万ドルに拡大しました。
また、2050万ドルを拠出したアメリカは被災地調査を前提条件として追加支援を表明しました。
このほか、オーストラリア、デンマーク、オランダ、スウェーデン、ドイツは国際支援要員の受け入れを要求し、オランダとスウェーデンは外国メディアの被災地入りを要求しました。
これに対し、ミャンマーのテインセイン首相は「前提条件無しの支援を歓迎する。現在ミャンマーに届けられた外国人道支援物資は3200トンに達している。ミャンマーでは災害時の臨時宿泊施設、コメの種子、化学肥料、漁船などが差し迫って必要である。国際支援物資は陸海空で輸送できるが、水路輸送の場合は民間船舶でヤンゴンから入港する場合のみを許可する」と明らかにしました。
今回のミャンマー支援国会合は東南アジア諸国連合の主導による調整メカニズムを確立しました。
また、国連と東南アジア諸国連合はバンコクのドンムアン空港を空輸拠点として24日から、ミャンマーへの航空輸送を開始しました。
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