四川大地震でドイツ赤十字社が、被災地に移動式病院とその関連物資を提供し、それを載せた飛行機が22日、首都ベルリンから中国四川省の省都・成都に向いました。これは、ドイツが四川大地震の被災地に対して提供する初めての援助物資となります。
ドイツ赤十字社が提供した支援物資には、移動病院のほか、薬品、医療機器、車両などがあります。支援物資を積んだボーイング747大型輸送機は北京時間の23日午前9時、成都に到着し、物資は被害の大きい都江堰市まで運ばれます。これは、史上初めてベルリンと成都の間を結ぶ直航便になりました。今回の援助についてドイツ赤十字社のバーケンハマー報道官は、次のように述べています。
「被災地の病院は大きな被害を受けているので、移動病院によって患者の治療を補うことができる。また、山間部から避難した人を収容し、治療することもできる。移動病院は、現地で中心的な役割を果たす病院となると思う」
この移動病院は、面積30から50平方メートルのテント25張りからなっており、120のベッドを持っています。また、手術室、分娩室、救急治療室、レントゲン室、薬局などもそろっており、人口25万人の地域に医療を提供することができます。また、独自の電気・水・食品の供給施設を持っているということです。これについてドイツ赤十字社災害管理部の責任者ジョネン氏は、こう話しています。
「ドイツから医師や看護士5人を、移動病院とともに中国に派遣した。彼らは、設備の使い方を中国側に紹介する。設備のメンテナンスをするために、6人の技術要員も来た」
医師の一人、小児科のガーデマン氏は、海外での医療支援活動を行うのが7回目となります。ガーデマン氏は、移動病院が少しでも早く被災地住民を支援できるよう望んでいると述べ、次のように話しました。
「我々は現地に入ってすぐ簡単な診療を始める。できれば、これから数日のうちに完全な診療を開始し、入院治療も行いたい。私たちは4週間から6週間しか滞在しないが、中国側ができるだけ早く独自に病院を利用できるよう指導することが任務だ。4週間はかかると思う」
また、技術専門家のムチョウ氏は、こう語りました。
「現地に入ったら早速、中国側とともに病院を組み立てる。私の経験では、120のベッドを持つ病院を機能させるには、100人の技術者が必要だ。中国赤十字会との協力を期待している」
ドイツ赤十字社は移動病院を提供した上で、さらに今月下旬、被災地に1500張りのテントを送り、中国赤十字会とともに被災地の復興に取り組む予定です。(翻訳:鵬)
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