四川大地震の発生から1週間が経った19日午後2時28分、中国では、全国の人々が3分間黙とうし、犠牲者の冥福を祈りました。被災地を含め、各地では、自動車、列車、船舶が一斉に警笛や汽笛を鳴らし、サイレンが響き渡りました。胡錦涛国家主席、呉邦国全人代常務委員長、温家宝首相らは北京で、全国民とともに黙とうを捧げました。
今月12日、中国四川省のブン川県を中心に発生した大地震によって、四川省、甘粛省、陝西省などで合わせて3万4000人余りが死亡し、24万人以上が負傷しています。中国政府は、全国民で犠牲者に哀悼の意を表そうと、19日から3日間を「全国哀悼の日」に定めました。この期間中、北京オリンピックの聖火リレーを中止し、娯楽イベントも止め、中国各地と在外機関で半旗を掲げ、また中国外務省と各国の中国大使館・領事館で弔問を受けつけています。
被害の大きい四川省の綿陽市では、九州体育館に避難している住民数千人が黙とうをしました。現地で取材している中国国際放送局の記者は現場の様子についてこう述べています。「19日午後2時28分、九州体育館の上空にサイレンが鳴り響き、そこに避難している住民は、自分の故郷の方向に向って目をつぶって黙とうを捧げました。目に涙を含んだり、泣きじゃくりながら黙とうする人が多かったです。黙とうの前、住民にインタビューしましたが、みんな、この災難を乗りこえて故郷を復興し、元気よく生きていくと語りました。それこそが、亡くなった人の霊を慰めることになるということです」
19日、各地では、半旗を掲げる儀式も行われました。
毎朝、日の出とともに国旗を掲げる儀式が行われる北京の天安門広場では、19日午前4時58分、国歌が流れる中、いったんポールの先端まで掲揚された国旗が、ゆっくりと下げられ、真ん中で止められました。この儀式に参加するため、中国南部の深セン市の羅文琴さんは、朝早く天安門広場に来ました。被災地の住民は、全国民の助けによってきっと故郷が復興すると述べた後、次のように話しました。「発生したことは、もうどうしようもない。でも、これほど多くの人々が被災地の住民を支援してくれているのだから、被災者の皆さんもしっかりしてほしい。みんなで故郷を復興しよう」
また、アメリカ人留学生のジョー・バーチャーさんは、「あれほど多くの人が亡くなって本当に悲惨な出来事だと思う。でも、中国の対応は非常によい。全力を尽くしたと思う」と語りました。
19日、中国外務省と中国の大使館などでも半旗を掲げ、記帳の受付を行っています。中国駐在インド大使館のニルパマ・ラオ大使は、中国外務省に弔問に訪れ、次のように語りました。
「悲しみを感じている。インドは中国の隣国として、中国の人民と一緒に悲しみを分かち合いたい。同じような災難は、インドも経験したことがあるので、中国を理解している。インドは、中国に対する支援を始めている。我々は、中国がきっとこの困難を乗り越えると信じている」
弔問に来たアメリカ、ロシア、スペイン、カナダの大使らは、中国政府から要請があれば追加支援を行うと表明しました。また、南アフリカや韓国などの大使は、それでも、北京オリンピックは成功すると信じていると励ましの言葉を送ってくれました。(翻訳:鵬)
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