四川大地震の発生後、余震が続き、道路が通れない中で、各地からの医療関係者はパラシュートや水路、歩行などのルートで被災地へ駆けつけました。中国政府も薬品や医療器械を調達して、被災地へ緊急輸送しています。15日午前10時までに、中国各地から救援活動に駆けつけた1万人以上の医療関係者は被災地で医療救援や疫病防止に当たり、2万3千人以上の負傷者を手当てしました。こうした医療関係者の努力の下で、被災地ではこれまで大規模な伝染病の感染や突発的な衛生問題は発生していません。
四川大地震発生後、中国衛生部は直ちに一級緊急事件対応体制を発動し、地震発生当日の夜、700人からなる応急医療救援チームを被災地に派遣しました。その後も、毎日数千人ほどの医療関係者が被災したすべての市や県へ赴き、様々な救援活動に取り組んでいます。また、中央政府は6億元の資金を拠出して、救援に必要な薬品や医療器械の購入と輸送にあたっています。
国務院震災救援指揮本部疫病防止グループの責任者、高強元衛生相は15日北京で記者会見し、「今回の医療救援の目標は医療救助、疫病防止、医療物資をすべての被災地に提供することだ」として、また、「道路が不通でも、空輸或いは歩行手段によって、医療救助と疫病防止のチーム及び医療物資をすべての被災地へ送る、効果的な応急医療活動によって、重傷者が死亡したり、負傷者に障害が残ったりすることを減らし、大規模な疫病感染が起こらないようにしなければならない」と強調しました。
高強元衛生相の紹介によりますと、今回派遣した医療チームの中には、心理学など精神医学の医師も含まれていることが明らかになりました。
このほかに、中国人民解放軍も医療チームを派遣して、救援作業に取り組んでいます。中国人民解放軍総後方勤務部医薬器材局の任国セン局長は「解放軍から調達した医療物資は主に、救急医療や感染防止、疫病防止などで使われる救急物資で、これまで、5つの空港から成都へ輸送されている。成都軍区衛生部の報告によると、最初に輸送した薬品は15日午前に被災地に投下したということだ」と説明しました。
薬品などの救援物資を早く被災者の手元に届けるために、中国解放軍は多くのヘリコプターを出動させています。15日、空軍部隊のヘリコプターで映秀鎮から運ばれた負傷者の一人は 「感激した。一昨日の夜はもうだめだと思った。傷口が大きくて、血がたくさん流れたから。ヘリコプターを見て、安心した」と話しました。
疫病防止グループの責任者、高強元衛生相は「生命を救うために重要だとされる72時間を過ぎたとしても、中国政府は被災者の救出を続けていくと同時に、衛生部門は被災地での水源の保護や消毒、伝染病予防作業に取り組み、今後の伝染病感染を防いでいく」ことを明らかにしました。
さらに、高強元衛生相は、地震発生後、各国政府からの支援に対して、中国政府を代表して感謝の意を表しました。
16日午前、中国の胡錦涛国家主席も四川に赴き、被災地の住民や救援活動を行っている解放軍部隊と医療関係者を励ましています。(翻訳:東)
|