韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は15日からアメリカと日本への歴訪を開始しました。
これまでの10年間、韓国とアメリカは朝鮮政策、軍事協力、貿易などをめぐり、関係がぎくしゃくしていました。
これを受け、李明博大統領は「アメリカと未来志向の戦略的同盟を強め、日米両国との関係強化を外交の中枢とし、経済、軍事、安全保障などの協力で韓国の影響力を拡大し、国益を擁護する」と、実用外交の方針を明らかにしました。
李明博大統領のアメリカ訪問には、政府高官や企業代表120人が随行しています。
ホワイトハウスは「ブッシュ大統領と李明博大統領の会談はワシントン郊外の大統領山荘キャンプ・デービッドで行われる」と発表しました。
アメリカはイラクとアフガニスタンでの軍事活動を支持し、朝鮮核問題での同一歩調を韓国に要請しています。
また、イラン制裁に参加すること、イラクに駐留する韓国軍の期限を延長すること、アフガニスタンへの軍派遣を再開すること、ブッシュ大統領が提唱した拡散防止構想(PSI)に参加すること、牛肉市場を開放することなど、一連の事項を要求しています。
李明博大統領は「非核・開放・3000構想」を提唱し、朝鮮への強硬な立場を取っています。
また、核の放棄を南北の経済協力の条件に、人権問題を人道協力の条件にしており、その結果、朝鮮は強く反発し、南北間の緊張が高まっています。
ブッシュ大統領との会談で李明博大統領は、朝鮮への政策を説明し、アメリカからの歩調調整を求めます。
また、南北の緊張情勢の下、アメリカとの同盟強化と朝鮮半島の平和安定維持を検討し、朝鮮への対応におけるアメリカとの協力メカニズムを模索する予定です。
アメリカ訪問後は、21日、東京で日本の福田康夫首相と会談する予定です。
日本との関係について、李明博大統領は「歴史問題もあるが、実用主義にのっとって未来に向けた両国関係を構築していく」と述べました。
今回の会談は相互信頼の醸成に向けた首脳会談の定期化を検討するもので、領有権紛争の独島問題、教科書問題など敏感な課題は内容に含まれていないということです。
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