アフガニスタンの旧支配勢力タリバンのアフマディ報道官は31日、「現地時間で8月1日12時の交渉時限までに、政府がタリバンの条件を満たさなければ、人質の殺害を続行する」と明らかにしました。
これに対し、アフガニスタン大統領府の報道官は「人質解放の条件である収監されているタリバン兵の釈放を受け入れられることはあり得ない」と強調しました。
7月19日、タリバンはアフガニスタン中部のガズニ州で韓国人23人を拉致し、韓国軍の撤退を要求しました。
韓国政府は大統領特使を派遣し、外交斡旋を展開しました。
タリバンはまた、拉致された韓国人23人と引き換えに、拘束されている仲間23人の釈放を条件としました。
しかし、拉致された23人のうち、女性18人の解放をめぐる交渉でタリバンとアフガン政府の立場が対立し、交渉は難航しました。
この中で、タリバンは7月25日と30日、2人の人質を殺害しました。
2人目の人質を殺害した後、タリバンは「タリバン兵の釈放は唯一の選択肢である。人質の移動は夜間に行っており、困難が非常に大きく、危険性も高い。そのため、殺害を頻繁に行う可能性がある。また、女性や2人以上の同時殺害も可能である」と警告しました。
2人目の殺害を受け、韓国政府は強い非難を示した上、人質の解放を優先にし、拉致事件解決におけるこれまでの慣行を一時放棄するよう国際社会に求めました。
アフガン大統領府は声明を発表し、「韓国政府は人質問題の解決における国際社会の慣行をよく知っている。アフガン政府は解決過程で一定の柔軟性を認める」としました。
人質を拉致し、女性を殺害することはアフガン文化とイスラム教の精神に背きます。
タリバンに対し、現地の部族長たちは説得作業を行っています。
しかし、2人目の人質殺害でタリバンの立場を揺るがすことが困難になりました。
一方、人質を拘束するタリバンの武装勢力は政府軍とアメリカ軍の包囲網にあり、人質の殺害続行は自らの安全にとってマイナスです。
今年3月、アフガン政府はタリバンに拉致されたイタリア人記者の解放と引き換えに、タリバン兵幹部を数人釈放しました。
これにより、アフガン政府はアメリカとEUから大きな圧力を受けています。
タリバンは外国人拉致を継続すると表明していますが、アフガン政府がまた交換条件を受け入れれば、テロへの奨励と非難され、波紋を呼ぶと見られています。
今回の韓国人拉致事件はアフガン政府と駐留外国軍にとって大きな試練となっており、治安情勢が依然混乱していることを示しています。
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