韓国のイ・ミョンバク(李明博)大統領は13日、記者会見し、「韓国と朝鮮の関係は現在、調整の時期に入っている。韓国は、朝鮮半島核問題の解決を目指して朝鮮と対話を行う準備ができている」と述べました。これは、最近、緊張状態にある南北関係を緩和させるシグナルとなりそうです。
韓国のイ・ミョンバク大統領は13日、大統領府で記者会見を行い、「韓国は、6カ国協議を通じて、朝鮮が核を放棄するよう促していく」と述べました。その中で、「朝鮮半島核問題の解決や、朝鮮国民の生活の改善に役立つならば、韓国政府は、いつでも朝鮮と対話する準備ができている」とした上で、朝鮮に「それなりに誠意を示すよう」求めました。さらに、「韓国の新政府による実利外交の第一歩として、アメリカや日本を訪問する」と明らかにしました。
さて、韓国と朝鮮の間で摩擦が相次ぎ、両国関係が緊迫化しているこの時期に、イ・ミョンバク大統領がそのような発言を行ったのはなぜでしょうか。これについて、中国国際放送局の論説委員で元韓国駐在記者の張哲さんは、「発言の背景としては、まず、イ・ミョンバク大統領は就任したばかりで、朝鮮に対する政策が手探り状態であることが挙げられる。また、4月に入って、イ・ミョンバク大統領の率いるハンナラ党が総選挙に勝利した。これは、新政権の政策実施にプラスとなる。そして、イ・ミョンバク大統領は15日にアメリカを訪問するが、朝鮮政策について協議することが主な内容の一つとなる」と述べました。
また、イ・ミョンバク大統領が「6カ国協議を通じて朝鮮の核放棄を促す」と強調したことについて、張哲さんは、「最近、6カ国協議関係各国はお互いに接触をつづけ、朝鮮とアメリカはシンガポールで、関係各国は北京でそれぞれ会談を行った。これは、6カ国協議が前進する兆しであり、イ・ミョンバク大統領がこの時期に態度を明らかにすることは、協議の推進にもプラスとなる」と指摘しました。
しかし、朝鮮核問題の解決までには、まだまだ時間がかかりそうです。6カ国協議のアメリカと朝鮮の首席代表は8日、シンガポールで会談しましたが、アメリカのライス国務長官は会談後、朝鮮が第2段階の内容を実施したかどうか判断できないとして、合意はならなかったと述べました。
イ・ミョンバク大統領は就任した後、朝鮮政策を変更し、「朝鮮は、国際社会に合わせて自らを変えていくべきだ」と発言したことがありました。これに対し、朝鮮も強硬姿勢をとり、両国関係は一時、危機に陥っていました。したがって、イ・ミョンバク大統領が朝鮮と対話の用意があると発言したのに対する朝鮮側の反応が注目されています。これについて、論説委員の張哲さんは、「イ・ミョンバク大統領は発言の中で実質的な内容に触れておらず、朝鮮政策はアメリカ訪問の後に決められるものであるため、いまのところ、朝鮮から大きな反応はないだろう」との見解を示しました。(翻訳:鵬)
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