今月19日投開票された韓国の第17代大統領選挙でハンナラ党の李明博氏が当選しました。
李明博氏は20日、実利重視の国政運営方針を発表し、韓国メディアは「国民は政治より経済に関心を寄せている」としました。
李明博氏の大統領当選により、保守派政党は10ぶりに政権を奪還しました。
これまでの5年、韓国経済は成長を維持しているものの、貧富の格差が拡大し、労働力コスト、不動産価格、原油と商品価格がいずれも上昇し、生活の質的向上が感じられないため、国民は経済への関心を強め、企業出身の李明博氏に期待を寄せています。
大手企業の最高経営責任者を歴任した李明博氏は「国民は理念ではなく、実用を選択した」と明らかにし、経済成長を最重要課題とする実利重視の執政方針を発表しました。
李明博氏は「経済成長率は7%に、10年のうち、年収は1人当たり4万ドル、世界第7位の経済大国になる」と目標を明らかにしました。
それによりますと、次期政権は企業投資の促進を経済振興の有力手段とし、外国投資を招致し、雇用を拡大し、中小企業と自営業者を支援し、中・低所得層の生活を改善させ、経済成長の恩恵をより多くの人にもたらすということです。
韓国の学者は「国民は李明博氏を選択し、競争と市場原理を重視する新自由主義の政策を受け入れた」としています。
外交政策で李明博氏は原則に基づく実用外交を主張しています。
李明博氏は「アメリカとの相互信頼を回復させ、韓米同盟を強化し、これを基礎として日本との関係発展を求め、世界各国特にアジア諸国との協力を強めていく。また、実利重視の原則に基づいて南北関係を発展させ、平和共存を実現し、6カ国協議に積極的に参加し、朝鮮とアメリカの接触を推進していく」と述べました。
李明博氏は21日、中国の寧賦魁韓国駐在大使と会見しました。
その際、李明博氏は「私は中国を重視し、アジアを重視する。これまでの一つの中国の政策を維持し、大統領の任期中、両国関係はより大きな前進を見せる」と語りました。
韓国問題研究者は「朝鮮との接触を維持するとともに、アメリカとの同盟関係を強化することは次期政権の指針である。6カ国協議が進展を見せ、アメリカは朝鮮への強硬な立場を改め、ハンナラ党は朝鮮への実利重視政策を実施し、より柔軟な姿勢をとっていく」としています。
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