朝鮮の貨物船「カンソン号(強盛号)」が20日韓国南東部の釜山港に入港しました。
これは朝鮮半島が南北に分断されて以来初めてです。
これにより、21日、釜山と朝鮮北東部のラジン(羅津)を結ぶ定期貨物航路が開通しました。
韓国メディアは「この17日、南北の列車が56年ぶりに軍事境界線を越えて試運転が行われ、20日のカンソン号の釜山港入港により、南北が民族和解で又一歩踏み出した」としました。
「カンソン号」はこの18日朝鮮西部のナムポ(南浦)港を出航し、釜山に向かいました。
これは21日に開通するラジン・釜山定期航路のテスト運航でした。
ラジン・釜山定期航路は月に3回運航される予定で、韓国の海運会社は「南北間貿易の安定的な増加に役立つ」としました。
この2月13日、朝鮮半島の核問題をめぐる6カ国協議が進展を見せたことで、南北の緊張が緩和され、民族和解と協力のプロセスが軌道に乗っています。
2月末、双方は政府間の対話と協力プロジェクトの再開を決定しました。
それ以来、南北は第13回経済協力促進委員会会議、赤十字会談、第5回将官級軍事会談を開き、離散家族を再び会わせる活動を再開し、韓国は朝鮮への人道支援を継続しています。
4月の第13回経済協力促進委員会会議で双方は南北縦断鉄道の列車試運転を5月17日に行うことを決定しました。
5月8日からの第5回将官級軍事会談で南北列車試運転に必要な軍事的安全保障措置が合意されました。
これによって、南北列車の試運転が可能となり、今後の経済協力の基礎が作られました。
去年6月、南北は縦断鉄道の試運転を前提として軽工業と地下資源開発の協力で合意しましたが、必要な軍事的保障措置が合意されなかったため、列車の試運転と関連の協力プロジェクトが中断していました。
今月17日の列車試運転を受け、軽工業と地下資源開発の協力に関する双方の合意書は近いうちに発効することになっています。
この軽工業と地下資源開発の協力により、韓国は衣服、履物、石鹸などの軽工業製品の生産に8000万ドル相当の原材料を提供し、朝鮮は3カ所の鉱山の合同開発権を提供するということです。
この協力はこれまでの単なる援助提供と異なり、南北経済協力の新しいパターンと見られています。
これについて韓国メディアは「2000年6月南北首脳会談が開催されて以来、双方の人的往来と経済的接触は空前の拡大を見せた。今回の軽工業・地下資源開発協力に関する合意書が発効し、ケソン工業団地、クムガンサン観光プロジェクト、および人道支援による援助物資の提供が順調に実施されれば、南北間の貨物と旅客輸送量が拡大を続けていくことになる。航空と鉄道輸送が開通していないうちは、道路と海上が主な輸送手段となる。釜山とラジンを結ぶ定期航路の開通は南北の物流と経済交流を推進し、緊張緩和と南北経済のバランスのとれた発展に有利である」と見ています。 (ジョウ)
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