パキスタン国民議会は24日、パキスタン人民党の候補である人民党のユサフ・ギラニ副総裁を首相に選出しました。
これにより、数カ月続いた政治界の争いは一段落したことになります。人々は新首相と政府がパキスタンに安定と発展をもたらすことを期待しています。
24日午後、パキスタン国民議会は会議を開き、首相選挙の投票を行いました。選挙は人民党のギラニ候補と反対党の対立候補エラーヒ氏の間で展開されました。ギラニ氏は人民党からの指名とイスラム教徒連盟シャリフ派の認可を得て、264票の絶対多数で勝利し、首相に就任しました。
首相の決定により、パキスタンで数カ月続いた政治界の争いは一段落しました。しかし、分析者は「首相が決定し、パキスタン情勢は当面変動しないが、各党派の間には以前矛盾が存在しているため、政局が変動する可能性は依然としてある」としています。
その原因はまず、人民党内部に意見の食い違いが存在しています。人民党は2月18日の議会選挙で勝利し、国民議会の第一党となったものの、首相候補を推薦するのに34日間も費やしています。これは人民党内部の矛盾が軽視できないものだということを表しています。当初、人民党内部の首相候補は人気の高いアミン・ファヒム副総裁でしたが、最終段階になって変更されました。これは世論にとって思いがけないことでした。また、人民党のザルダリ共同総裁はかねてから、首相就任への意欲を示しており、法廷もすでに、ザルダリ共同総裁の腐敗に関するあらゆる訴訟を却下しています。これにより、ザルダリ共同総裁が今後、議員候補になり、ギラニ氏についで首相に就任する可能性を排除することは出来ないと多くの世論は見ています。
そして、人民党とイスラム教徒連盟シャリフ派との間に意見の食い違いが存在しています。この2つの党派はもともと反対党でしたが、今回の選挙で一躍国民議会の第一党と第ニ党となり、連立政府を組織することに同意しました。現在の状況から見れば、双方の協力はスムーズだと言えます。これまでの10年間、この2つの党派は対立していましたが、現在はいくつかの共通した目標を目指して、一緒に歩みだしています。しかし、現在、双方の間には権力の分配などで依然として、意見の食い違いが存在しています。特に、内相や国防相、財務相、外相などの要職の争いは激しいものがあります。今後の執政で、両党がどれぐらい協力を堅持できるかは疑問です。
また、新しい内閣とムシャラフ大統領の間に矛盾が存在していることも上げられます。。ムシャラフ大統領は数回にわたって、新政府を支持し、協力することを示したにもかかわらず、イスラム教徒連盟大統領派が選挙で惨敗し、反対派になったため、ムシャラフ大統領は困難な状況に陥りました。
イスラム教徒連盟シャリフ派の指導者シャリフ氏とムシャラフ大統領はかつて対立していました。今回人民党は圧力に耐えて、シャリフ派と連立政府を樹立し、ムシャラフ大統領に消極的なシグナルを発しました。シャリフ氏は新しい議会でムシャラフ大統領を弾劾しようと示しました。この弾劾によって、パキスタンの政局は必ず新たな変動が発生するでしょう。(翻訳:董)
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