第11期全国人民代表大会第1回会議が5日午前北京で開催され、温家宝首相は政府活動報告を行いました。
活動報告は中国社会が直面している問題に触れ、国民が経済発展の恩恵を公平に受けるようにすることが主な指針となっています。
今年1月下旬から、中国南部で広い地域にわたり、50年に1度とも言われる雪災害が発生しましたが、これをめぐり、温家宝首相は「ここから教訓を得て、電力、交通、通信などのインフラ整備を強め、災害防止対応と保障能力を高めていく。そして応急体制を構築し、事前の予防と突発事態への対応能力を向上させるべきである」と述べました。
報告はまた、投資が過熱傾向にあり、国際収支が不均衡となっていると指摘し、また、経済成長による環境への負担、物価の上昇、インフレ圧力の拡大などの問題を取り上げています。
これらをめぐり、報告は穏健な財政政策と通貨政策の引き締めを提案し、財政政策は積極型から穏健型へ、通貨政策は穏健から引き締めに移行するとしています。
今年のGDP・国内総生産について報告は8%という目標を設定しています。
温家宝首相は「内外の様々な要素を視野に入れ、経済を安定的に速く成長させることを目指し、発展方式の転換に重点を置く。単なる成長率の追求ではなく、社会経済全体の速やかで良好な発展を求めていく」と述べました。
国民が関心を寄せている物価上昇問題について報告は消費者小売価格の上昇率を4.8%前後に抑えると明確にしましたが、温家宝首相は「物価全体の速すぎる上昇を防止することはマクロ調整の重大な目標となっている。効果的な供給の増加と非合理的な需要の抑制を並行させなければならない」と強調しました。
温家宝首相はまた、備蓄や価格監視の体制を構築し、低所得層への補助を健全化させるよう提案しました。
内外から注目されている中国製品の品質と安全性の向上について、温家宝首相は「年内に、食品や医薬品など7700品目の安全性に対する国家基準を制定、修正する。輸出製品は国際基準とともに、輸出先の国家基準や技術関連法規に合致させなければならない」と強調しました。
温家宝首相は「国民が経済成長の恩恵を合理的に受けられれば、安定的で調和のとれた社会を推進できる」と明言しました。
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