15日まで北京で行われた中国人民政治協商会議年次会議では、外国との文化交流の強化が、議題の一つとなりました。政治協商会議の委員は、外国との文化の交流や協力を深めることが、中国人民と世界各国人民との理解や友情を深め、外国との関係に積極的な意義を持つと見ています。
ここ数年、中国で「フランス文化年」や「ロシア国家年」など各国との交流イベントが開催され、世界各国の文化・芸術に関する展示や公演が各地で行われています。中国と外国との文化交流が頻繁に行われることについて、政治協商会議の委員で、中国美術家協会の会長でもあるキン(革に斤)尚誼氏は、「これは、経済と文化の相乗効果が産み出した結果である」としています。
「文化交流を行うにはまず、経済の基礎がなければならない。改革開放が始まったばかりの1980年代、90年代には、経済的な問題から、外国との文化交流は少なかった。しかし現在、財政も安定し、文化交流を頻繁に行えるようになった。文化を発展させることは、外国の優れた点を吸収しながら中国文化を外国に伝えることとして、各国人民との相互理解と友情を促進することにとって非常に重要である」と述べました。
キン氏によりますと、中国美術家協会が主催する北京国際ビエンナーレは、2003年から行われ、現在、中国で最大規模の、かつ最高レベルの国際的な美術イベントになっており、中国と外国との芸術交流の場ともなっています。第3回ビエンナーレは北京オリンピックと同時に行われますが、その際には、70以上の国や地域の800点の作品が展示されることになるということです。
このほか、外国との文化交流では、孔子学院も一役買っています。政治協商会議の委員で、著名な作家でもある王蒙氏は、「世界各地では、現在、100ヶ所以上の孔子学院が設けられたが、これも、世界の人々に中国を理解してもらう手段の一つである」としています。
「海外に設けた孔子学院では、中国語のほかに、中華料理や太極拳、絵画、書道など、中国文化を全面的に学ぶことができる。文化交流の重要性はますます重要視されている。文化は、中国の大切な資源である」と語りました。
中国は近年、文化遺産の保護にも大きく力を入れ、これに関する国際交流も多く行っています。現在、中国国家博物館の専門家は、ケニアのパッティ島の周辺海域で、海底遺跡の調査に取り組んでいます。これは、中国がアフリカの国とともに行う初めての遺跡調査となります。これについて、政治協商会議の委員で、国家文物局の局長・単霽翔氏は、こう述べています。
「ここ数年、今回の調査のような国際協力はますます増えている。2004年の第28回世界遺産委員会や、2005年の国際記念物遺跡会議第15回総会が相次いで中国で行なわれた。この2つの会議によって、中国と外国との文化遺産の保護における協力や交流が促がされた」と述べました。
また今年は、中日国交正常化35周年にあたり、これにちなんで中日両国では、「2007中日文化・スポーツ交流年」というイベントが行われます。中日両国は、文学・芸術、スポーツ、観光、メディアなど多くの分野で交流することになります。
今後の国際交流で、文化がより重要な役目を果たすべきであると、政治協商会議の委員たちは述べています。(翻訳:鵬)
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