日本の福田康夫首相は1日午後、臨時国会で初の所信表明演説を行いました。福田首相はこの中で「『自立と共生』を政権の基本理念として、若者が希望を持ちお年寄りが安心できる『希望と安心』の国を作る」としたうえで、野党と積極的に協議する意向を示しています。
福田首相は所信表明演説の中で安倍前首相の辞職によってもたらした政治空白をすべての国民にお詫びをした上で、野党の協力と支持を求めるとの考えを示しました。また、国内政治について、福田首相は「自立と共生」という基本理念を提出し、「若者が希望を持ちお年寄りが安心できる「希望と安心」の国を作り、国民のために安全と安心の政治、生活環境を作ることを表明しました。この外、「政治と金」の問題については「失われた国民の信頼を回復させるため、与党は野党と十分に討議し、政治資金の透明度を上げる必要がある」と述べました。更に経済改革問題について「改革と安定とした経済成長は、車の両輪であり、ともに進める。また、政策に工夫を重ね、丁寧に対応する、地方再生への構造改革を進める」と強調しました。
外交の面では「日米同盟の堅持と国際協調は、日本外交の基本だ」と強調すると同時に、「アジア外交を積極的に推進し、そのうち、中国と戦略的互恵関係を打ち立て、韓国とも未来志向の信頼関係を強化し、ASEAN・東南アジア諸国連合と経済連携などで関係を強化する」と述べました。また、安倍前首相が進めた北朝鮮への強硬路線と違い、福田首相は北朝鮮との対話を重要視している意向を示しました。
福田首相の所信表明演説について与党内部の反応も大分違います。自民党側は「穏健融和だ」と評価する一方、連立政権の公明党は「大まか過ぎだ」との反応です。また、野党、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「目玉の政策がない。華も覚悟もない。官僚復権内閣だ」と酷評しました。社民党の福島瑞穂党首は「国民の切実な悲鳴に応えようという情熱、ビジョン、具体的な施策がない演説だ」と批判しました。
歴代官房長官の中で福田康夫氏は在職期間が最も長い官房長官であり、その協調力が非常に素晴らしいとの評価があります。今後は国家指導者として優れた迫力と政治的知恵が求められ、こうしてこそ日本政局を安定させることができると見られています。
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