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イラク、民族和解の道のりはまだまだ遠い
   2007-09-28 13:38:16    cri

 イラクの副大統領であるスンニ派の指導者ハシミ師と、シーア派の最高指導者シスタニ師は27日、シーア派の聖地、ナジャフで会談を行いました。双方はイラクの民族和解について討議しましたが、共通認識に達しませんでした。イラク各派の衝突は長い歴史があり、民族和解は簡単には実現しないと見られています。

 ここ数年、イラク各派の衝突はエスカレートを続け、大量の死傷者が出ました。ハシミ師とシスタニ師の会談はイラク政府と宗派関係者が民族和解のために努力していることを示しています。そして、宗派間の衝突はイラク政府が直面している主要な問題となっています。シーア派、スンニ派、それにクルド人はそれぞれの利益を守るために譲り合わず、17人の閣僚が相次いで辞任し、民族連合政府は名前だけのものとなりました。

 民族和解プロセスがなかなか進展しないため、マリキ政権はイラク国内と国際社会から批判を受けています。シーア派、スンニ派、それにクルド人はそれぞれの政治的要求がマリキ政権から無視されたと非難し、一部の西側諸国はマリキ政権の無力を指摘しています。

 実際には、マリキ政権はイラク各派の和解を促すため、努力しています。先月21日、クルド民主党、クルド愛国連盟、シーア派のイスラム最高会議、それにダワ党が協定に調印し、民族和解プロセスを推し進める新しい政治連盟が成立しました。また、今月21日、マリキ首相は、政権から退いたスンニ派の「イラク調和戦線」の出した政治的要求を考慮することに同意しました。ハシミ師とシスタニ師が行った会談もイラク各派が民族和解のために努力していることの表われだと見られます。

 しかし、イラク各派の衝突は内部に原因がある一方、外からの要因もあります。簡単には解決できません。

 まず、イラクの内部では、フセイン政権の時代から各派は恨みを持っていました。イラクではシーア派が多いものの、フセイン政権の時代は少数派のスンニ派が政権を握り、少数派が多数派を支配していました。アメリカが起こしたイラク戦争によって、フセイン政権が倒壊し、長い間支配的地位に立っていたスンニ派は地位や権力、財産を失う一方、シーア派やクルド人が権力を得ました。政権の転換は利益の変化をもたらし、各派の抱く恨みはいっそう深くなり、宗派間衝突や民族紛争も深刻になっています。

 また、外国の勢力は自らの利益から出発し、イラク各派の衝突を深刻化させました。今月26日、アメリカ上院はイラク問題に関する決議を可決しました。これはイラク各派の衝突を解決するため、民族や宗教信仰によって、イラクをクルド人、シーア派、スンニ派の三大グループに分けるものです。アメリカのこの決議によって、イラクが分裂する恐れがあり、各派の衝突もエスカレートするだろうと見られています。

 関係者は、「民族和解が実現しない限り、イラクの安定は実現できない」と見ており、国と国民の利益を重視し、外国勢力の干渉に影響されず、民族和解の実現に努力するようイラク各派に呼びかけています。(09/28)

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