AU・アフリカ連合第9回サミットが3日、ガーナの首都・アクラで閉幕しました。会議の議長団は「アクラ宣言」を発表し、「アフリカの一体化を引き続き推進する」と宣言しました。
今回のアフリカ連合サミットは1日に開幕し、アフリカ53カ国の指導者と代表がアフリカ合衆国の建設問題をめぐり、議論を展開しました。この外、サミットではダルフール問題、ソマリア問題、それにアフリカ平和安全保障委員会の役割問題、人権問題、児童及び貧困問題などについて討議が行われました。
アフリカ合衆国の建設、すなわち現在のアフリカ連合からアフリカ連邦に発展させる構想について、多くの国家が支持を表明しました。しかし、その具体的な実施措置については見解の不一致がありました。論争の焦点となったのは、連合政府の建設を早急に行うのか、それとも、スケジュールを立てて、段階的に行うのかということでした。
リビアのカダフィ大佐はアフリカの一体化を早目に推進することを提唱しています。カダフィ大佐は先月末、ソマリア、ギニア、シエラレオネなどの国を訪れ、今回のサミットで彼が提唱した「アフリカ連合政府の建設からアフリカ合衆国の建設にむけて」という構想を支持するよう各国を説得しました。またギニアの首都・コナクリで講演した際、「アフリカ諸国はそれぞれ独立しても生き残ることはできない。統一政府を建設し、200万人の軍隊を装備するほか、統一した貨幣とパスポートを発行するべきだ。更に強大なアフリカ合衆国を建設してこそ、アフリカには前途がある」と示しました。
カダフィ大佐の構想を支持する声は多いものの、多くのアフリカ国家は地域の一体化プロセスを一歩一歩推進させることを望んでいます。
ナイジェリアのヤラドゥア大統領はサミットで「今、アフリカ諸国の差し迫った問題は国内の政府管理や経済発展、それに各地域の一体化問題である。アフリカ連合政府の建設においては、段階的、漸進的な方法で行うべきだ」と呼びかけています。また、ヤラドゥア大統領は「アフリカはインフラ整備の状況が悪く、エネルギーも不足しているうえ、エイズなどの問題にも直面している。これらの問題を優先的に解決しなければ、アフリカ大陸の政治と経済の一体化プロセスは中断してしまうだろう」と指摘しました。
今回のサミットではアフリカの一体化をどれだけ早く達成するかをめぐり激しい論争が展開されました。閉幕時に発表された「アクラ宣言」は各方面が妥協した結果に過ぎません。ただ、この宣言はアフリカ国家が地域一体化を求めている共通の願望を示しており、アフリカ連合を始めとする地域一体化組織がますます大きな役割を果たすことになると見られています。
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